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任天堂、従業員1人あたり約3億円の売り上げ

2007年04月13日 23時00分更新

文● 編集部

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 先日の記事のとおり、任天堂の2006年度の連結売上高は約9660億円(予想)、2007年度は1兆円の大台に載る可能性が高い。

 しかし、1兆円の売上と聞いても、スケールが大きすぎていまいちピンとこない人も多いのではないだろうか? そこでほかの企業と比較することで、任天堂の規模感をつかんでみよう。


1兆円の規模感


 まずは、2007年の『会社四季報』から各業種の企業を売上順に抜粋してみよう。

電気機器

順位 会社名 連結売上高 連結従業員数 1人あたり売上高
1 (株)日立製作所 9兆4648億100万円 32万7324人 2891万円
2 松下電器産業(株) 8兆8943億2900万円 33万4402人 2659万円
3 ソニー(株) 7兆4754億3600万円 15万8500人 4716万円
4 (株)東芝 6兆3435億600万円 17万1989人 3688万円
5 日本電気(株)(NEC) 4兆8249億2900万円 15万5029人 3112万円
6 富士通(株) 4兆7914億1600万円 15万8491人 3023万円

※従業員数は同社webサイトから

情報通信業

順位 会社名 連結売上高 連結従業員数 1人あたり売上高
1 日本電信電話(株) 10兆7411億3600万円 19万9113人 5394万円
2 (株)NTTドコモ 4兆7658億7200万円 2万1646人 2億2017万円
3 KDDI(株) 3兆608億1400万円 1万4021人 2億1830万円
4 ソフトバンク(株) 1兆1086億6500万円 1万4182人 7817万円
5 (株)NTTデータ 9072億8100万円 2万1308人 4257万円
6 (株)フジテレビジョン 5934億9300万円 4212人 1億4090万円

サービス業

順位 会社名 連結売上高 連結従業員数 1人あたり売上高
1 (株)電通 1兆9632億9600万円 1万5337人 1億2801万円
2 (株)博報堂DYホールディングス 1兆1111億2100円 7292人 1億5237万円
3 セコム(株) 5673億1500万円 2万8224人 2010万円
4 (株)アサツー ディ・ケイ 4247億500万円 2997人 1億4171万円
5 (株)ベネッセコーポレーション 3337億6600万円 1万2081人 2762万円
6 (株)オリエンタルランド 3328億8500万円 3676人 9055万円

 1兆円前後の売り上げの企業は、ソフトバンク、NTTデータ、博報堂DYホールディングスがあるようだ。リストからは漏れているが、“電気機器”の分野では、京セラ(株)の1兆1814億8900万円、コニカミノルタホールディングス(株)の1兆683億9000万円などがあった。

 続いて会社四季報には載っていない企業はどうか? ASCII.jpの読者にはおなじみの有名IT企業のデータについて、2006年度の決算資料から抽出してみた。

会社名 連結売上高 連結従業員数 1人あたり売上高
(株)ソニー・コンピューターエンタテインメント(SCEI) 9572億円 4000人 2億3930万円※1
米マイクロソフト社 5兆618億円 7万1172人 7112万円
米アップル社 2兆2774億円※2 1万8000人 1億2652万円
米グーグル社 1兆2514億円※2 1万674人 1億1723万円
米アマゾン社 1兆2745億円※2 1万3900人 9169万円
米サンマイクロシステムズ社 1兆5468億円※2 3万8000人 4068万円

※1 編集部推定
※2 1ドル=118円で計算。マイクロソフトは同社発表の数字のまま

 任天堂のライバルのSCEIの規模は任天堂と同じくらい。意外だったのは、グーグルやアマゾンが、任天堂と近い売上だということだ。

 なんとなく1兆円の規模感がつかめただろうか。


少数精鋭


 続いて任天堂の従業員数に注目してみよう。2006年12月時点での同社の従業員数は3257人(参考:同社発表資料)。この数字は売上高1兆円を超える企業としては少ない気がするが、どうなのだろうか?

 任天堂と同程度の売上のソフトバンクは1万4182人、電通は1万5337人、博報堂DYホールディングスは7292人、SCEIは約4000人、グーグルは1万674人、アマゾンは約1万3900人。

 SCEIも同様だが、任天堂の従業員はほかの企業に比べて少ない。


1人で3億円売り上げる


 さらに、売上高を従業員数で割ってみると驚くべき数字がはじき出された。なんと任天堂では、従業員1人あたりほぼ3億円(2億9660万円)売り上げる計算だ。

 おなじように、任天堂と同程度の売上の企業と比較してみる。ソフトバンクは1人あたりの売上が7817万円、電通は1億2801万円、博報堂DYホールディングスは1億5237万円、SCEIは2億3930万円、Googleは1億1723万円、Amazonは9169万円。

 売上の規模に関わらず、上記企業で任天堂ほど1人あたりの売上が高い企業はない。日本のトップ企業の1つであるトヨタでさえも、1人あたりの売上は約7356万円だ

 任天堂がいかに少ない人数で効率よく売り上げているか分かるだろう。


ミリオンセラーを連発


 任天堂はゲームソフトの売り上げもすさまじい。2006年4月から12月の間に100万本以上売れたゲームソフトは19本。音楽や書籍と比較しても、1社でこれほど売れるということはあまりないだろう。また2006年度の国内ゲームソフトの売上トップ10のうち、任天堂のソフトが8本もランクインしている。((株)エンターブレイン調べ)

 本来なら業種が違う会社を単純に比べることは難しい。また収益機構は会社ごとにことなるため、単に売上高が高ければいいというわけでもない。いささか乱暴な比較だったかもしれないが、一兆円企業を目前に控えた任天堂のすごさがある程度イメージできたのではないだろうか。

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