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システムとテンプレート、コンサルも提供

内部統制を500万円で構築可能? サイボウズが内部統制支援パッケージを発売

2007年03月19日 17時39分更新

文● アスキービジネス編集部

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サイボウズとその子会社であるコンサルティング会社・ブリングアップは3月19日、共同で、内部統制支援パッケージ「ガンマエンジン・フォー・サイボウズ」の販売を開始した。RCMテンプレートとコンサルティングを含んで500万円からという低価格と、サイボウズ製品との連携が売りだ。


重要なのは「文書化後」の運用フェイズ


「内部統制が簡単でないことは、自社の対策を進めるうえで身をもって分かった。文書化はさほど大変ではないが、重要なのは、日々の統制活動をチェックし、それを証拠として残していくことだ」

 サイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏はこのように話す。青野氏によると、同社は一時期、文書化ツールの導入を検討したものの、高額なために結局導入を見送り、担当者がヒアリングした結果をExcelにまとめるというプロセスを踏んだ。このとき苦労したのが、統制が実際に行なわれているかをチェックする「運用」フェイズにおける作業だったという。そこで、「PDCAをしっかり回すサイクルをできるだけ安く手軽に、運用まで含めてサポートできるシステムが必要ではないかとの想い」(青野氏)から開発されたのが「ガンマエンジン・フォー・サイボウズ」(ガンマエンジン)である。

(右から)サイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏とブリングアップCOO兼常務取締役の中田匡紀氏

(右から)サイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏とブリングアップCOO兼常務取締役の中田匡紀氏

 ガンマエンジンは、サイボウズのWebデータベースソフト「サイボウズデヂエ」をベースとした内部統制構築支援システムだ。あらかじめ内部統制の構築に必要なリスクコントロールマトリクス(RCM)のひな型を組み込んだ状態で提供するため、導入企業はひな型をもとにガンマエンジン上でRCMを手軽に作成可能となる。

ガンマエンジンを使った内部統制の整備フロー。PDCAの各フェイズを記録していくことで経営者や監査人がチェックしやすくする

ガンマエンジンを使った内部統制の整備フロー。PDCAの各フェイズを記録していくことで経営者や監査人がチェックしやすくする

 特徴は「世にある内部統制ツールは、文書の作成や文書自体の管理にとどまっている」(ブリングアップのCOO兼常務取締役の中田匡紀氏)のに対して、内部統制の構築に必要な一連のプロセスをすべて記録し、経営者や監査人が一元的に把握できるようにしたことだ。具体的には、内部統制の整備計画/RCM作成/運用テスト/改善計画の実施状況をWeb上で担当者が入力していき、それを経営者が閲覧する。「(一連の流れにより)監査に耐えうる体制を作っていくことができる。結果として、監査コストも圧縮できるのではないか」(中田氏)。

ガンマエンジンの入力画面。リスクとコントロールに加えて、各フェイズの担当者を指定する

ガンマエンジンの入力画面。リスクとコントロールに加えて、各フェイズの担当者を指定する

 また、グループウェア「サイボウズ ガルーン」の文書管理機能との連携に対応したのも特徴だ。業務フローや業務記述書をガルーン側に保管して文書の変更履歴を記録させ、それをガンマエンジンから呼び出すことが可能となる。さらに、ガルーンのポータル画面へガンマエンジンの更新情報を通知・表示させ、内部統制構築の進捗状況を把握する機能も備えた。

 提供にあたっては、ブリングアップが導入時のコンサルティングサービスを無償で提供し、ガンマエンジンを使った内部統制の構築から運用までを支援する。中田氏によると今後はマニュアルやDVDといった付加サービスの提供も検討しているとのこと。

 価格は500万円(税別)で、2年目以降は100万円(税別)の年間料金が必要だが、中田氏は「テンプレートだけで数百万円となる他社には追随できない価格」とアピールする。サイボウズとブリングアップでは、主に従業員数2000名以下の中堅上場企業を中心に売り込み、2007年度中に50社以上への販売を目指す。

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