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複数のタグ付けや表示履歴によって受信メールの管理が楽に!

Mozilla Japan、メールソフト『Thunderbird 2』の記者説明会を開催

2007年03月09日 18時07分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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有限責任中間法人Mozilla Japanは9日、東京・六本木の六本木ヒルズ内アカデミーヒルズ49にプレス関係者を集め、現在開発中のメールクライアントソフト『Thunderbird 2』(サンダーバード2)の新機能に関する説明会を開催した。

Mozilla Japanの代表理事の瀧田佐登子氏

Thunderbird 2の記者説明会で挨拶する、Mozilla Japanの代表理事の瀧田佐登子氏

Thunderbirdはオープンソースのメールクライアントソフトで、Mozilla Japanが日本語化して、無償配布されている。その最新版であるThunderbird 2は現在、開発途上のβ2が公開中で、有志のβテスター向けに公式サイト(http://GetThunderbird.jp)で配布されている。リリーススケジュールとしては、3月半ば(12日の週後半)にはRC1(リリース候補1)が公開され、正式リリースは3月末を予定しているという。

Thunderbird 2での新機能で特徴的なものは以下の通り。

  • タグを使ったメッセージの管理・整理機能を搭載
  • 3つの新しいフォルダービュー機能を搭載
  • Gmail/.Macのウェブメールをサポート
  • オンライン/オフラインの自動検出機能を搭載(Windows/Linux版)

Thunderbird 2の新機能の1つ、タグ機能を説明した画面。従来のThunderbird 1.5までは5種類のラベルから1つしか指定できなかったが、画面のように1つのメールに複数のタグを設定できる。タグの追加や色の指定も可能だ

タグを使ったメッセージ管理機能は、従来のラベル機能を拡張したもの。ラベル機能では1つのメールに1つのラベルしか設定できなかったが、新しいタグ機能では1つのメールに対して複数のタグ(キーワード)が設定できるようになった。このタグは、メールのタイトルを色分けして一目で見分けられるだけでなく、メール検索のキーワードとしても利用できる。

検索フォルダーの説明画面

検索フォルダーは、検索条件を設定しておくと自動的に受信メールをチェックして、条件に当てはまるメールを見つけ出してくれる

メール検索に関しては、新たに検索フォルダー機能も用意されている。これは、キーワード(本文/タグ)や日付などの条件を設定しておくと、それに当てはまるメールを自動的に抽出する機能。あとからまとめて読む、もしくは後日必要になる情報などに特定のタグを付けておけば、いちいちメールフォルダー全体から検索する手間が省けるというわけだ。

3つのフォルダービュー

3つのフォルダービューは、ツリー表示されたフォルダーの上にある左右ボタンで切り替える

新しいフォルダービュー機能は、“未読フォルダー”“お気に入りフォルダー”“最近使ったフォルダー”の3つ。メールクライアントソフトでは、送信者やタイトルなどに条件付けしてフォルダーを振り分けているユーザーが多いが、フォルダーが増えすぎると管理が面倒になる(新着メールがあるたびに複数のフォルダーをいちいち開くなど)。未読フォルダービューでは、未読メールがあるフォルダーだけをまとめて一覧できるモードで、フォルダーを細分化して管理する利用者には便利な機能だろう。

お気に入りフォルダーは、名前の通り、仕事やプライベートなどでよく参照するフォルダーだけを登録しておくビューモード。最近使ったフォルダーは、直前に読んだばかりのメールなのに、どのフォルダーにあったものか思い出せない、という場面で便利なモードだ。

“戻る”“進む”ボタンが新たに追加

ウェブブラウザーでおなじみの“戻る”“進む”ボタンが新たに追加されるので、直前に閲覧したメールを探してあちこちのフォルダーを開く手間が省ける

なお、こうした“直前に読んだメールを探す”という場面では、新たに搭載された“進む”“戻る”ボタンも便利な機能だ。これはウェブブラウザーでよく使われる表示履歴を順にたどって表示する機能で、フォルダーをまたいで参照したメールを戻りながら閲覧できる。

このほか、新着メールの通知機能(タスクトレイに表示される通知アイコンとポップアップ)を改良し、メールの有無が分かるだけでなく、タイトル/送信者/本文の一部(ユーザーカスタマイズが可能)を表示することができるようになった。

新着メッセージのポップアップ表示

新着メッセージのポップアップ表示に、タイトル/送信者/本文の一部が表示されるようになった。重要なメールかどうかを手早く確認できる。表示内容はユーザーがカスタマイズすることも可能


なお、Thunderbird 2で当初搭載される予定だった“タブ切り替え”の表示機能については、「メールクライアントソフトをタブ切り替えで操作することには、ユーザーがまだ慣れていないし、機能としてどのように実装するのが便利かという議論に一定の結論が出ていない」(技術部 吉野公平氏)という理由から今回の実装は見送られた。ただし、「次のメジャーバージョンアップまでには議論を決着したいと思っている」とも述べているので、今後搭載される可能性はありそうだ。

また、Microsoft Outlookを初めとしたメールクライアントでは、スケジューラーやTo Doリストなど、メールと個人情報管理機能を組み合わせたものが増えているが、これについて記者から質問されると、「Lightingという機能拡張がユーザーグループで開発されている。ただし、日本語の扱いがまだ未熟。ユーザーからの要望が多い機能でもあるので、将来的にはこの機能をThunderbirdに組み込んでいく(標準搭載する)ことも検討する」と答えた。


Thunderbird 2の動作環境は以下の通り。

Windows版
CPU 233MHz以上で動作するCPU(500MHz以上を推奨)
メモリー 64MB以上(256MB以上を推奨)
HDD 52MB以上(100MB以上を推奨)
OS Windows 98/Me/2000/XP/Vista(Windows XPを推奨)
Mac OS版
CPU PowerPC G3以上のCPU(Intel CPU対応)
メモリー 128MB以上(256MB以上を推奨)
HDD 200MB以上
OS Mac OS X 10.2.x
Linux版
CPU 233MHz以上で動作するCPU(500MHz以上を推奨)
メモリー 64MB以上(256MB以上を推奨)
HDD 52MB以上(100MB以上を推奨)
OS Linuxカーネル 2.2.14以上(最新のLinuxディストリビューションを推奨)

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