Windows Vistaの登場を待っていたかのように、国産ビジネスソフトも新しい時代に対応した新製品が登場した。2月9日に、まず『一太郎2007』などの単体ソフトが発売され、3月9日には統合ビジネススイート『JUST Suite 2007』が発売される(関連記事)。これらの製品は、ユーザーにどのような“新時代”をもたらしてくれるのか、ユーザー視点で気になる点をレポートしよう。
受信メールからの文書加工に便利!!
“エディタフェーズ”
“ワープロソフトを利用した文書作成”と一口に言っても、作成する文書の種類によって、また作成者によっても、そのニーズは違ってくる。ひたすら“文章”入力を快適に続けたい場合には、画面はシンプルであればあるほど作業が進めやすい。原稿の下書きや、ウェブ用のHTML/XMLデータの作成など、とにかくテキストさえ快速に扱えればいいという場面では、ゴタゴタした装飾機能はむしろ不必要だ。
一太郎2007で新たに搭載された“エディタフェーズ”は、まさにテキストエディターそのもの。これまで筆者は原稿作成時に基本編集フェーズの“ドラフト編集画面”を利用していたが、行番号と桁番号が表示されて、よりシンプルな“エディタフェーズ”で、文字の扱いが格段に楽になる。
このフェーズでは、メール文書にありがちな各行末に入っている不要な改行を削除する“改行削除”や、反対にメール文書などに貼り付けるときに行頭行末の補正を行なえるなど、一太郎を“エディター”として常用したい人に、非常に便利である。現在テキストエディターで文書作成している方は、体験版などでこのモードを試してみてはいかがだろうか。
文書作成中に参考にしたい別の文書を表示・閲覧するための“ビューアフェーズ”は、紙文書をディスプレー越しに見るという感覚で、うっかり参考文書のほうを書き換えてしまうミスが防げる。装飾された文書でも“テキストビューア”で文字部分だけを抽出して表示することができるし、ページ一覧表示から目的のページを探したり、スライド表示で簡易プレゼンテーションとしても利用できる。
“イメージビューア”では画面上の文書をマウスカーソルでつまんで引っ張るという、まさに紙の資料を手で扱うような作業方法での閲覧が可能だ。また、イメージビューア画面の“スクリーンショットモード”を使用すると、文書の一部を画像として切り出す取ってくることができる。これは、例えば作成したテキストをウェブサイトにアップロードした際にコピーペーストで簡単に盗用されたくない場合、あるいはプレゼンテーション資料の一部に文書を(画像として)組み合わせる場面などで重宝する。