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“イズム”“DNA”をシステムで可視化――オラクルがPeopleSoft HCMの新版

2007年02月23日 22時03分更新

文● アスキービジネス編集部

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日本オラクルは2月23日、人事管理アプリケーション「PeopleSoft Enterprise Human Capital Management 9.0」に関する記者説明会を東京都内で開いた。2月1日の「Applications Unlimited」(関連記事)で一斉発表された新製品のひとつで、新版のキーとなる「タレント・マネジメント」を中心に説明が行なわれた。


タレント・マネジメントを実践する「プロファイル管理機能」


日本オラクル執行役員アプリケーションマーケティング本部長 藤本 寛氏

日本オラクル執行役員アプリケーションマーケティング本部長 藤本 寛氏

「人事部門のオペレーションを効率化するのはすでにマスト。ここにさらに、人材の戦略的な配置やモチベーションを高める取り組みといった競争優位の原動力を加え、2つを両立できるのがわれわれの最大の強みだ」(日本オラクル執行役員アプリケーションマーケティング本部長・藤本 寛氏)

 人事管理アプリケーションの新版「PeopleSoft Enterprise Human Capital Management 9.0」(以下、HCM 9.0)の説明会で、オラクルは新機能の重要なポイントとなる「タレント・マネジメント」の説明に大半の時間を割き、その重要性を繰り返し説いた。

 オラクルの定義によれば、タレントとは「会社の現在から未来に重要なメリットを生み出せる個人」であり、すなわち自社の企業活動に貢献する優秀な社員のことを指す。このタレントの採用から評価、研修、定着、後任計画などの一連のサイクル全体を管理するのがタレント・マネジメントという考え方だ。

日本オラクル アプリケーションSC本部HR SC部プロダクトオペレーションズグループ ソリューションマネージャー 安井清一郎

日本オラクル アプリケーションSC本部HR SC部プロダクトオペレーションズグループ ソリューションマネージャー 安井清一郎

 日本オラクル アプリケーションSC本部HR SC部プロダクトオペレーションズグループ ソリューションマネージャーの安井清一郎氏は、「タレントは新しい考え方ではない」とした上で、「これまで経営者が“DNA”や“イズム”といった言葉で表現してきた自社の考える人材像を、システムでより分かりやすく可視化したものがタレント・マネジメント」と説明する。

 タレント・マネジメントを実践するうえでの基盤となる機能が「プロファイル管理機能」だ。プロファイル管理機能は、採用、評価、研修、人事管理、キャリアプランといった、通常別々のアプリケーションで管理される機能を「タレント」を中心に統合したもの。スキルや資格といった属性から組織/職務/個人のプロファイルを定義し、職務と候補者のマッチング、ギャップ分析、育成プログラムの作成や評価を一元的に行なえるようにした。

 そのほか機能面では、M&Aなどにより生じた複数の人事制度を残したままで一元管理する機能や、契約社員/派遣社員などの非正社員の管理機能を拡張。さらに、XMLによるデータとフォームの分離を図ったことで、HCM 9.0からのPDFの出力や、Microsoft Word/Excelとの連携も実現した。また、プロファイルを1ページで表示するシングルビューの採用など、細かな使い勝手の改善も図っている。

HCM 9.0の画面からPDFを作成・表示する「XML Publisher」

HCM 9.0の画面からPDFを作成・表示する「XML Publisher」

 オラクルがタレント・マネジメントを強調するのには「福利厚生や人事情報の管理、給与支払といった従来の伝統的な人事業務ではアウトソーシングが加速していく」(藤本氏)との背景がある。一方で人材戦略のマネジメントは今後伸びると見られ、藤本氏は「戦略的な人事・HCMの分野でわれわれは実績がある。人事業務の効率化と残りのリソースを戦略的な人事に投資していく流れの中で、オラクルのビジネスチャンスも広がるだろう」と期待感を示した。

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