“アジアオンラインゲームカンファレンス2007東京”(以下AOGC 2007)が22日に開幕した。AOGC 2007はアジア圏のオンラインゲームに関する国際会議で、今年で3回目。主催は有限責任会社中間法人ブロードバンド推進協議会。ベルサール神田で23日まで開催される。
初日の22日午前には、マイクロソフト(株)による基調講演が行なわれた。登壇者は同社執行役ホームエンターテイメント担当 Xbox事業本部長の泉水敬(せんすい たかし)氏。“Liveサービスとコミュニティーの未来像”をテーマにXbox Liveを中心にした同社のコミュニティー戦略が紹介された。
Xboxは本日5周年、ついにわれわれの時代が来た
講演が行なわれた22日は、初代Xboxの発売からちょうど5年目という記念日でもある。泉水氏は講演の冒頭で、ゲームとコミュニティーが融合しつつある最近の事情について言及。当初からネットワークアクセスを前提に考えてきた“Xbox”シリーズのコンセプトに触れながら、「ついにわれわれの時代が来た」とコメントした。
Xbox Liveの中心となるテーマは“共有”であると泉水氏は話す。オンライン上でユーザーが、空間、時間、情報、体験、感動を共有することで、そのサービスに対するユーザーの共感が進み、ビジネスも活性化。さらに大きなコミュニティーが育成される。そんなスパイラルを提供するのが、Xbox Liveである。Xbox Liveでは、単一のID(ゲーマータグ)でユーザーがXbox 360で過去に遊んだゲームの進行度合いや成績などがすべてトレースできる仕組みになっている。ゲームやコンテンツとユーザーの関係性を個別に結ばせるのではなく、Xbox Liveというプラットフォーム上で総合的に育んでいくというコンセプトだ。
ゲーマータグを利用することで、自分に近いレベルのプレイヤーや近い趣向を持つユーザーを検索(マッチング)することも可能。最近では、さらにこの対象範囲をパソコンや携帯機器にも広げ、ゲーマータグの情報をユーザーのブログに引用したり、ウェブサイトやメッセンジャーを使ったコミュニケーションもできるようになっている。「われわれはスパイラルの黎明期にいる」と泉水氏は話す。
今後は泉水氏はゲーマータグを利用したコミュニケーションサービスの拡大(Xbox Community Developer Program)やクリエーターコミュニティーの拡大などにも取り組んでいく。前者に関してマイクロソフトは、“Xbox Friends”というゲーマータグを利用したSNSサービスを提供しているが、今後は各種APIをユーザーに対しても公開していく方針だ。一方、後者に関しては、Xbox 360で動作するゲームを作れる開発キット『XNA Gmae Studio Express』がフリーダウンロード可能になっている。同社では“Creators' Club”というサイトを用意して、クリエイター向けコミュニティーの育成やライブラリー提供といった支援を行なっていくという。
講演の最後にはLiveサービスの今後のビジョンとして“Connected Experience”(体験の共有)と“Connected Entertainment”(感動の共有)の2点が掲げられた。講演は「リアルな世界とバーチャルな世界を融合して、ユーザーの1人1人がコミュニティの中にいるという体験を味わい、感動を共有できる世界を演出していきた」という言葉で締めくくられた。