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最新パーツ性能チェック ― 第46回

【最新パーツ性能チェック Vol.46(番外編)】

「Athlon 64 X2 6000+」登場! 実力のほどはいかに!

2007年02月20日 14時00分更新

文● 宇野 貴教

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 米AMDは20日に、Athlon 64 X2シリーズの最上位モデルとなる「Athlon 64 X2 6000+」を発表。出荷を開始した。今回はこの新CPUの評価キットを借用できたので、既存のAthlon 64 X2および競合製品との性能の違いを検証してみたい。

6000+ついに動作クロックが3GHzに達した「Athlon 64 X2 6000+」。製造プロセスは90nmのまま、高クロック化を実現

 Athlon 64 X2 6000+(以下6000+)の主なスペックは、動作クロックが3.0GHz、2次キャッシュ1MB×2、製造プロセスは従来同様の90nmで、TDP 125Wと高めだ。対応ソケットはSocket AM2。ちなみにOPNは「ADX6000IAA6CZ」。従来の最高速品である「Athlon 64 X2 5600+」との違いはモデルナンバー部分のみで、リビジョンも同一である。つまり、Athlon 64 X2 5600+の動作クロックを、2.8GHzから3.0GHzへ引き上げたものと推測される。

CPUZ CPUZ
「CPU-Z」で見たAthlon 64 X2 6000+のスペック。5000+と比較するとコードネームも製造プロセスも変更されておらず、動作電圧1.4V、2次キャッシュ1MB×2が大きな違い

 1000個受注時での1個あたりの価格は459ドル(5万8600円程度)と公表されている。秋葉原の自作ショップでの店頭販売価格は6万円代前半と予想されているので、価格帯のみで判断すると、インテルCPUでライバルとなるのは「Core 2 Duo E6700-2.66GHz」になる。

Athlon 64 X2 6000+および5000+の環境
CPU AMD Athlon 64 X2 6000+ 3.0GHz、5000+ 2.60GHz。
マザーボード Asus M2N32SLI-DELUXE
メモリー Corsir CM2X512-8500 512MB×2(DDR2-800で動作)
ビデオカード Galaxy GeForce 7600GS-Z
HDD Western Digital WD740(SATA 74GB)
電源 ZUMAX ZU-400W(400W)
OS Windows XP Professional SP2
Core 2 Duo E6600の環境
CPU Intel Core 2 Duo E6600-2.40GHz
マザーボード GIGABYTE GA-P965-DS3 Rev1.0
メモリー SunMax PC2-5300 1GB×2(DDR2-667)
ビデオカード Galaxy GeForce 7600GS-Z
HDD Seagate ST3160812AS(SATA 160GB)
電源 Abee SR-1450A(450W)
OS Windows XP Professional SP2

従来モデルとの性能差は
ほぼクロック比率どおり

 それでは早速、各種ベンチマークテストを使って6000+のパフォーマンスをテストしてみよう。比較対象のCPUとしては、評価キットに付属してきたAthlon 64 X2 5000+(以下5000+)と、筆者所有のCore 2 Duo E6600-2.4GHz(以下E6600)を用意した。Athlon 64 X2同士は、CPU以外同一の環境であるが、E6600とはプラットフォームやメモリー容量・速度に違いがあるため、参考記録としてみていただきたい。

 基本となるCPU性能は「Sandra 2007 SP1」の「処理装置の演算」と「マルチメディアの処理装置」で計測した。6000+と5000+のクロック比は約1.15対1だが、いずれの結果もこの数値に収まっている。純粋にE6600との比較で見ると、SSE3によるWhetstoneで上回り、SSE4の整数演算とSSE2での浮動小数点演算で下回った。

SiSoftの「Sandra 2007.SP1」に搭載されているCPU関連ベンチマークの結果。SSE性能が大きく影響するため、E6600はスコアが高い

 3Dグラフィックスベンチマークである「3DMark06」の「CPU Test」では、6000+と5000+のスコアは1.17対1となった。これは6000+は2次キャッシュが、2倍の1MB×2になっていることが影響していると思われる。ほかに3D CGレンダリングを行なう「CineBench 9.5」、「Windows Media Encorder 9」によるWMVエンコード、円周率計算ベンチマーク「Superπ」などの計測結果は、いずれも6000+が5000+より約15%アップしていた。「クロック比率分の性能アップ」という、非常に単純明快な傾向がうかがえる。

3DMark06定番3Dビデオカードベンチ「3DMark06」のCPU性能テスト。6000+と5000+を比較すると、6000+は2次キャッシュが1MB×2のためか、クロック比よりも高い結果に
CineBench 9.53Dレンダリングのベンチマーク「CineBench 9.5」の結果
Windows Media Encorder 9「Windows Media Encorder 9」で、約2分の無圧縮AVIファイルを“QVBR 90”の設定でWMVファイルにエンコードするのに要した時間
Superπ円周率を計算する「Superπ」を、100万桁20回ループさせるのに要した時間。2次キャッシュの容量と速度が大きく影響するため、E6600のスコアが高い

 参考記録のCore 2 Duoも含めて比較すると、Superπを除いて6000+対E6600対5000+の比は、1.15対1.04~1.07対1に収まっている。E6600のSuperπが高い原因は、このソフトは2次キャッシュ容量と速度が大きく影響するためで、2次キャッシュ内に収まるようなアプリケーションでは、Core 2 Duoのほうが有利といえる。E6600の動作クロックは2.4GHz、E6700は2.67GHzなので、6000+とE6700の実力はほぼ拮抗していると推測できる。同一価格帯での選択肢が増えたことになったわけで、ユーザーにとっては喜ばしい状況になったと言えるだろう。

 かつては「3Dゲームと言えばAthlon 64」というイメージがあったが、これもCore 2 Duoの登場で状況は変わってきている。3Dゲームにおける6000+のパフォーマンスを計測するため、2006年12月に日本語版が発売されたFPSゲーム「Company of Heros」のパフォーマンステストを用いて、表示のフレームレートを計測した。ビデオカードはいずれも同じGeForce 7600GSカードを使用。ゲーム設定はアンチエイリアスをオフにし、それ以外の画質関連はすべて最高設定、サウンドはデフォルトで行なっている。6000+とE6600を比較すると、最も重要視すべきポイントである平均フレームレートはほぼ同じであるが、E6600は別途Envy24搭載サウンドカードを使用していたためか、CPUの負荷がやや軽い。その点も考慮すると、3Dゲームにおいては6000+とE6600の優劣はほとんどないか、6000+がやや上回ると見てよさそうである。

Company of Heros最新のFPSゲーム「Company of Heros」でのフレームレート計測結果。3D描画などが加わるためクロック比どおりとはいかないものの、6000+は5000+より約5%のアップし、E6600をやや上回る

消費電力は大幅にアップ
製造プロセスが90nmなのが原因か

 最後は消費電力の計測である。それぞれのシステムでSandra 2007.SP1のCPU関連ベンチマークを行ないながら、システム全体の消費電力をサンワサプライ(株)の「ワットチェッカー」で計測した。結果を見ると6000+のアイドル時はE6600より低消費電力であるが、最大負荷時の消費電力はかなり高く、CPU以外はすべて同じ構成である5000+よりも、なんと56Wも上だった。6000+のTDPは125W、5000+のTDPは89Wであるが、この差を大きく超える値になってしまっている。3Dゲームなどでビデオカードも酷使すると、全体の消費電力はさらに上がることになり、電源ユニットや冷却周りへの負荷はかなり高い。対するE6600は、プラットフォームの違いもあり正確に比較はできないものの、高負荷時の消費電力はかなり抑えられている。アイドル時はともかく、6000+は1Wあたりのピーク性能で見ると、効率の悪いCPUと言えるだろう。

消費電力消費電力計測の結果。アイドル時は低消費電力と言える一方で、高負荷時はかなりの電力消費になっている

ネックは高消費電力
CPU交換のみで済ませたい人向けか?

 CPUをチョイスするポイントとしては、“速度”“コストパフォーマンス”“消費電力”の3つが上げられる。前者の2つに関しては、6000+は合格ラインに乗っていると言える。しかし消費電力に関しては、かなり厳しいと言わざるをえない。今後65nmプロセス版へ移行して消費電力が下がれば、より魅力的なCPUへと格上げされる可能性はある。「モデルナンバーの高い上位CPUを、迅速に65nmへ移行させる」ことが、現在の課題であることが浮き彫りになったと言えそうだ。

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