日本ヒューレット・パッカード株式会社は、「HP BladeSystem c-Class」に属する新製品、HP ProLiant BL685c、HP StorageWorks SB40cなどを発表した。
中小規模システムに広がるブレードシステムの需要
最初に日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 本部長の上原宏氏は、同社のブレードシステム関連のビジネスを報告、2006年上半期(1~6月)には国内のブレードサーバ市場で2位のシェアを占め、出荷台数は前年同期比159%の成長を実現したという
初期導入コストが比較的高いブレードシステムは、まず大規模システムを中心に採用が進んだが、ここにきて中小規模システム(中堅中小企業や大企業の部門)での採用が増えてきている。日本HPのアンケートでも導入予定規模が「10台以内」という回答が3割を超えており、ブレードシステム市場が新たな広がりを見せていることを示している。今回発表する新製品により、これまでは「コスト」という障壁のあった中小規模システムへのブレード導入を強化するという。
「第3世代」ブレードシステム
ブレードシステムは、高密度のサーバ実装だけが追及されていた第1世代、普通のサーバが持つ機能をすべて備え、サーバ集約を目的としていた第2世代というように進化してきた。そして、日本HPでは今回発表する製品を「第3世代」と表現している。第2世代のサーバ本体に加え、ストレージ、ネットワークといったコンポーネントもブレードシステムに統合し、仮想化・自動化に最適なプラットフォームであるという位置付けだ。
日本ヒューレット・パッカード インダストリースタンダードサーバ製品本部 ブレードバリュー・プロダクトマーケティング部 プロダクトマネージャの山中伸吾氏は、ブレードシステムに対して顧客から寄せられる意見を紹介し、ブレードサーバのデメリットとして(1)搭載できるCPU数が少ない、(2)ディスク増設不可、(3)通信ポートが少ないの3点を挙げる。このため、社内でブレード化できるシステムは限られ、全システムをブレード化し管理工数を削減したいという顧客の期待に十分に応えられていなかったと説明した。そして、本日の新製品がこれらの声に応えるためのものであるとした。
「HP ProLiant BL685c」はデュアルコアAMD Opteron 8000シリーズを最大4個(合計8コア)搭載できる4 CPU型のブレードサーバだ。BL685cは10Uのエンクロージャに8台まで搭載可能で、ラックマウント型に換算すると1.25Uのサイズに8コアを収められる計算になる。価格は132万3000円から。
「NC325m 4ポートGigabitネットワークアダプタ」は4ポートのGibabit Ethernetを増設できる拡張カードで、ブレード1枚あたりのネットワークポートを8個(機種によっては16個)まで増加させられる。価格は9万300円から。
「HP StorageWorks SB40c」はストレージブレードであり、エンクロージャ内でサーバブレードの横に装着するだけで、簡単にブレードのディスク容量を拡張することができる。SB40cには2.5インチのSAS HDDを最大6台搭載可能で、サーバブレード内の2台と合わせて8台のHDDを利用できる。ハーフハイトのブレードサーバBL460cと組み合わせることで、2 CPU(4コア)、8 NIC、ディスク容量1.1TBのサーバを、ラックマウント型換算で1.25Uのサイズで実現できる。SB40cの価格は、23万1000円から。