東京ビッグサイトで開催中の「NET&COM 2007」の会場では、「内部統制」を掲げる企業が目立つ。日本版SOX法の実施基準案も出て、いよいよIT業界全体が盛り上がりを見せるなか、「内部統制ソリューション」を出展するブースを回ってみた。
コンサルからデータセンターまで、CTCブース
会場入り口近く、鮮やかなブルーのブースを構えた伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)。同社は昨年10月に同じ伊藤忠商事グループ内の2社が合併して誕生した(=関連記事)大手システムインテグレータだ。
ブース入り口付近には、「内部統制ソリューションマップ」という同社の内部統制関連サービスメニュー全体を表す図を大きく掲げていた。担当者によると、同社の最大の強みはズバリ「内部統制全般をトータルでカバーしていること」だという。文書化・リスク評価・統制構築支援などを行なう「内部統制強化支援コンサルティング」を筆頭に、さまざまなソリューションを提供できる総合力が売りとなっている。
具体的な製品展示は、日本オラクルのECM(Enterprise Contents Managemet)システム「Oracle Content Database」、オラクルとネットアップの仮想化技術を利用した統合ITインフラフレームワーク「MW Pool」(ミドルウェア・プール)など。内部統制の構築にはまず「分散したデータ/システムの統合が不可欠」とのことで、今回の製品展示になったようだ。来場者らの関心も高く、Content DBについては、経営者層から「ワークフローやアクセス権限の設定はどうか」などの具体的な質問が飛ぶことが多いという。
また、同社が特に注力しているのがデータセンターのビジネス。全国4カ所にセンタを構え、「(神戸センタは)阪神大震災でも倒れなかった」というファシリティを売りに、ディザスタリカバリサービスを訴求する。また、基幹系の業務システムをアウトソースすることで、内部統制の基盤となるITインフラの安全性を高めることできるという。
もっとも、必ずしも実際にユーザーが内部統制とデータセンタを結びつけて考えているとは限らず、同社でもERPパッケージなどの提案の際に、データセンタのソリューションを併せて提示することが多いとのこと。
手軽にできる「見える化」へのアプローチ、テンダの「SoftSimulator」
株式会社テンダのブースでは、「暗黙知を形式知に」をキャッチコピーに、「SoftSimulator」という製品を盛んにアピールしていた。
SoftSimulatorとは、Windows PC上でのユーザーの操作を記録し、それをもとに簡単にマニュアルを作成できるツール。キャプチャ画像と「印刷をクリック」といった説明文付きのマニュアルをほぼ自動で作成し、WordやHTMLなどの形式で出力可能だ。さらに、スライドショー風の動的なマニュアルや、実践型のトレーニングメニューなども作成できる。すでに大手企業をはじめ600社に導入済みで、社内教育の一環として利用する企業が多いとのこと。
基本的にはPCの操作手順をマニュアル化するものだが、製造業などでは、撮影した製造工程の写真にコメントを挿入して業務マニュアルを作る、といった用途にも利用されているそうだ。ちなみに価格は80万円だが、作成したマニュアル類の配布は自由とのこと。
「内部統制」は無限のキーワード?
NET&COMの会場には、10数社が出展する「内部統制ソリューションパビリオン」があるが、それ以外にも会場内のあらゆるブースで「内部統制」のキーワードが目に付いた。たとえば、バイオメトリクス認証、クライアント管理、電子メール関連の製品はかなりの確率で「内部統制」もしくは「日本版SOX法」の文字を掲げているように感じた。
引き続き、内部統制関連ソリューションを出展するブースを迫ってレポートしたい。