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せいたいにんしょう

生体認証

2007年02月09日 20時00分更新

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2007年02月09日 20時00分更新

せいたいにんしょう

生体認証

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■生態認証とは?

 体の器官などの情報を利用した個人認証技術のこと。認証には、指紋、網膜、虹彩、顔、声紋など、個人によって異なる特徴を利用する。このため、パスワードや暗証番号による認証に比べ、本人以外の他人によるなりすましが困難で、より高い安全性を確保できるとされている。

  • セキュリティー


 

詳細解説

“虹彩認証”
“眼球による認証では、網膜だけでなく、虹彩の濃淡を元にして認証を行なえる

どうして生体認証を利用するのか

 生体認証とは、バイオメトリクスとも呼ばれ、1人1人異なる体の部位などを利用して認証を行なう技術である。認証に利用される部位は、指紋、網膜、虹彩、顔などがあり、ほかに声紋なども利用される。

 セキュリティシステムの多くはパスワードの入力や、カードによって個人を特定してきた。しかし従来の方法では、暗証番号のスキミングや漏洩、カードの盗難、紛失などの問題を抱えており、特に他人による“なりすまし”に対しては十分なセキュリティが確保してあるとはいえない状況だった。そこで、これらの問題を解決するために生体認証のシステムが開発され注目を集めている。個人の識別を正確に行なうには、精密な比較測定ができることと、識別に利用される部位が大きく変化しないことが重要になる。

生体認証の種類

 “指紋認証”は指にある指紋を個人の識別に利用する。年月を経ても変化しない指紋を用いて判別するので、高い認証精度がある。しかし、犯罪捜査などで使われることが多いため、利用者が心理的抵抗を感じる可能性もある。住宅玄関の鍵、オフィスの開錠や最近では個人情報漏えい防止策としてパソコン、携帯電話にも指紋認証が導入されている。認証は指を認証の機械(指紋センサー)に触れさせることで行なう。

 “網膜認証”は目の網膜の毛細血管のパターンを認識する。網膜の血管パターンは、人間の一生のなかで変化することはなく、同一人物でも左右の目で異なっている。また、非接触で簡単に測定できる上に、外面的な特徴と異なって目の内部に保持されているため、認証の妨げになるような不安定要素(傷や付着物など)が低く、外部にもさらされていないのも優れた特徴の1つだ。

 “虹彩認証”は虹彩の濃淡を元に認証を行なう。虹彩は“アイリス”とも呼ばれ、目の角膜と水晶体の間にある薄い膜のこと。瞳孔の大きさを調節して網膜に入る光の量を調節する役割を持つ。虹彩は遺伝的影響度が少なく、指紋などと同様にその人固有のパターンを持っている。また、網膜の血管パターンと同じく、同一人物でも左右の目で異なっている。

 “顔認証”は、個人の持つ顔の特徴を本人認証の手段として利用する。撮影した顔画像から目・鼻・口といった特徴点を抽出して、それらの位置や距離を算出し、あらかじめ登録されている本人のデータと照合することによって本人認証を行なう。指紋認証とは異なり、非接触であること、また認証時に特別な動作を求めないことから、導入に抵抗感が少ないとされ、入退室の管理によく利用されている。

 “声紋認証”は個人の声の特徴を元に認証を行なう。指紋認証と比べて心理的な抵抗が少なく、また電話などと組み合わせれば遠隔地でも認証ができる。さらに、認証を行なうために特別なハードウェアを用意する必要がないのも特徴の1つ。一方でほかの認証方式と比較して認証精度が劣るため、ほかの認証方式と組み合わせることで、認証精度を高めるシステム設計が重要になる。

●代表的な生体認証の種類

認証方式認証に使用する器官特徴
指紋認証指紋機械への接触が必要。心理的な抵抗感が高い
網膜認証網膜非接触での認証が可能。目の奥にあるので外部にさらされていない
虹彩認証虹彩(アイリス)非接触での認証が可能。遺伝的な影響が少ない
顔認証非接触での認証が可能。認証時に特別な動作を必要としない
声紋認証声紋特別なハードウェアが不要。他と比べて認証制度が劣る
 

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