雪花氷は“東京初上陸! アキバでしか味わえない!
――そもそも「雪花の郷(しぇーほぁのさと)」は、いつ頃、どんな経緯で秋葉原にオープンしたんですか?
【米谷】 開店は昨年の9月15日です。きっかけは、当社の社長が大阪の本店で雪花氷(しぇーほぁぴん)を食べたこと。血糖値が高いのに甘いモノが大好きでねー。評判を聞いてわざわざ大阪まで食べにいった。そして、実際に食べて「うまい!」と思った瞬間に、もう開店を決めてたみたいです(笑)。翌日には「米谷、交通費だけ出すから休みの日に大阪に行って食べてこい!」と。
――出張じゃなくて、“休みの日に”なんですね(笑)?
【米谷】 そうそう(笑)。休みを1日つぶして食べてきて、「おいしかったか?」と聞かれたから「すごーくおいしかったです」と言ったら、「じゃあ、おまえが作ってみろ」と。「えっ……!?」と聞き返したら「おまえが店長やって東京に店を出すぞ!!」(笑)
――それまではどんなお仕事されてたんですか?
【米谷】 パソコンのメンテナンス関連の仕事ですね。
――だから秋葉原にオープンすることになったんですね。
【米谷】 「おまえがやるなら秋葉原だな」とは言われましたけど(笑)。まあ、もともと秋葉原は好きですよ。ガラガラしてて、すごく変な街。大阪の日本橋にも行ったけど、アキバのほうがもっとワケわかんなくて面白い。
この前も250GBのHDDを安く買ったんですけどね。なぜか、1週間で壊れちゃいました(うれしそうに)。雪が降るUSBのクリスマスのツリーも買ったんですけどね。部品が足りなくて動かなかった(さらにうれしそう)。
――フツー、1週間で壊れるHDD買わないですよ! でも、壊れたときちょっとうれしかったでしょ? ネタになるなって。
【米谷】ハハハハ。ちょっとね。
アキバでは“奇をてらわないこと”が大事
――そんな好きな秋葉原で、「雪花氷(しぇーほぁぴん)」はウケる! と思いましたか?
【米谷】いやー、正直わかんなかったですね。
――秋葉原は“新しいモノ好き”な人が多いという印象があるから、ピッタリでは?
【米谷】“新しい”というだけなら、はいて捨てるほどあるからねー。でもそういう打ち上げ花火みたいな存在にはなりたくないよね。
――そうならないための工夫をしていますか?
【米谷】 逆に“奇をてらわない”ことしかないと思ってる。愛情を込めておいしいものをしっかり作るということが一番大事。 “秋葉原名物”と言われているケバブサンドの「スターケバブ」さんや、牛丼の「サンボ」さんも奇をてらったことは何もしていないでしょ。おいしいものをちゃんと作ってる。
――なるほど。
【米谷】 余談だけど、ウチのスタッフは「スターケバブ」のドネルサンドや、「サンボ」の牛丼がすごく好きでよく買いに行くのよ。ケバブ屋さんなんか、行列ができている日に行って7個注文したりね(笑)。だから、近所のよしみってわけじゃないけど、「スターケバブ」さんや「サンボ」さんにも、たまにはウチに食べにきてほしいなあ(笑)。サービスしますよ!
オリジナルメニューも続々登場!
――人気の商品を教えてください。
【米谷】 プレーンなミルク味の「雪花の郷」、イチゴソースとパウダーをかけた「ロマンチック」、マンゴの果実とソースをかけた「金銀財宝」ですね。
――アキバ店だけのオリジナルメニューはありますか?
【米谷】 十勝大納言(小豆)と栗の甘露煮をのせた「おいでやすまいりぃ」、高級フランス製の栗ペーストを雪花氷で包み、栗を添えた「モンテビアンコ」は社長のオリジナルです。
――「秋葉スペシャル」というのもありますね。
【米谷】 季節の果物をトッピングしてます。でも、冬場はフルーツの選択肢があんまりなくてね。今の時期は生のイチゴを添えたいんだけど、今年は高いんだよねー。採算を考えるとなかなか手がでない(笑)。開店したときの「秋葉スペシャル」は、信じられないほど豪華。採算度外視で高級メロンを使ってましたね。
――オリジナルメニューは今後、増えますか?
【米谷】 実はいろいろ開発中です。中にフルーツのゼリーいれたり、お酒と組み合わせたり。お酒を使った試作品作りは大変でね。作っているうちにどんどんグデングデンになって気持ち悪くなっちゃうんだよね(笑)。……まあ、期待してて。(次ページへ続く)