このページの本文へ

えいちでぃ でぃぶいでぃ

HD DVD

2007年01月30日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

2007年01月30日 00時00分更新

えいちでぃ でぃぶいでぃ

HD DVD

  • この記事をはてなブックマークに登録
  • この記事をdel.ici.ousに登録
  • この記事をlivedoorクリップに登録

■次世代DVD-HD DVDとは?

 次世代DVDと呼ばれる光ディスク規格の1つ。おもにデジタルハイビジョン番組を録画できるよう、1つのデータ層に最大15GBの記録容量を持つ。当初は“AOD”という名称で(株)東芝と日本電気(株)によって提案されていたが、“HD DVD”として承認された。やはり次世代DVDである“Blu-ray”と同様に青紫色レーザーを使用するが、従来のDVDと互換性が高いことが特徴となっている。

  • 光ディスク


関連キーワード

  • 次世代DVD
  • 光ディスク
  • Blu-ray
  • デジタルハイビジョン番組
  • 赤色レーザー
  • ハードディスクレコーダー
  • PS3
  • MPEG2
  • AVC/H.264
  • VC-1
  • PCM
  • ドルビーデジタル(AC-3)
  • DTSー
  • DTS+
  • Dolby TrueHD

目次

 

詳細解説

次世代DVD-HD DVDとは?

 HD DVDは、次世代DVDと呼ばれる光ディスク規格の1つで、従来のCDやDVDと同じ直径12cmの光ディスクに、さらに大容量のデータが記録できるDVD規格のことである。HD DVDでは、1つのデータ層に最大15GB、片面2層で30GBの容量がある。また、1層20GB、2層40GBに記録容量を増やしたものや、3層構造のディスクも規格化/開発が行なわれている。

 HD DVDは2003年8月、東芝と日本電気(NEC)によって“AOD(Advanced Optical Disc)”を次世代DVDの新規格としてDVDフォーラムに提案された。そしてDVDフォーラムは、同年11月にAODを“HD DVD”の名称で承認した。その後、ピックアップレンズにおいて三洋電機(株)も開発に参加している。ディスク上のデータを読み書きするレーザーを、従来の赤色よりも波長の短い青紫色にすることでデータの密度を上げ、大容量化を実現しているのはBlu-ray Discと同じだが、ビームの口径がBlu-ray Discより大きいため、それがデータ層あたりの容量の差になっている(Blu-ray Discは一層25GB以上)。

 HD DVDは、従来のDVDと同じ0.6mmの厚さのディスクを2枚貼り合わせたディスク構造になっている。このため、ディスクやドライブを製造する機器を従来のDVDの設備から一部流用でき、製造コストを抑えられることも大きな特徴だ。ただし、ディスクの販売価格を容量単位で比較すると、2007年1月の時点ではBlu-rayの方が低価格になっている。

Blu-ray Diskよりも広いビーム口径

Blu-ray Diskよりも広いビーム 口径

レンズとディスクの間隔がBlu-ray Diskより広い

レンズとディスクの間隔が Blu-ray Diskより広い
HD DVDのビーム口径は、Blu-rayの125μmより広い分、記録容量は少ないが、レンズ距離を広くできる

HD DVDの仕様

 HD DVDのディスクは、再生専用の“HD DVD-ROM”、1回だけ書き込みができる“HD DVD-R”、書き換えが可能でAV機器向けの“HD DVD-RW”およびパソコン向けの“HD DVD-RAM”などの規格が策定されている。HD DVD-RAMのみ、片面1層20GB、片面2層40GBの容量となっている。しかし、製品化されているのは現在のところHD DVD-ROMとHD DVD-R、HD DVD-RWのみ。なお、東芝は1枚のディスクに2層のHD DVD(30GB)と1層のDVD(4.7GB)で形成された、3層構造のツインフォーマットディスクの開発を発表している。

●HD DVDの記録容量

ディスクの種類HD DVD-R/RW(1層)HD DVD-R/RW(2層)HD DVD-RAM(1層)
ディスク容量15GB30GB20GB
地上デジタル放送録画時間108分216分144分
BSデジタル放送録画時間81分162分108分

 HD DVDのデータ転送レートは36Mbpsで、現時点ではHD DVD-ROMが2倍速、HD DVD-Rが1倍速のドライブが一般的になっている。コーデックは、映像ではMPEG2、MPEG4 AVC/H.264、Windows Media 9をベースとしたVC-1に対応し、音声ではPCM、ドルビーデジタル(AC-3)、DTS、DD+、Dolby TrueHDに対応している。また、著作権保護のために、複数の暗号化技術であるAACS、新しい著作権保護技術を追加できるBD+などが用意されている。

競合する次世代DVD規格

 HD DVDは、次世代DVDとしてDVDフォーラムに承認された唯一の規格だが、Blu-ray Discが2002年2月にソニー(株)、松下電器産業(株)などにより策定され、以降、Blu-ray DiscとHD DVDはシェアを争う状況になっている。一時期は双方の規格を統合する協議も行われたが、最終的に協議は決裂し、2つの異なる規格が共存することとなった。なお、HD DVDには米マイクロソフト社(Windows Vista、Xbox 360)、米インテル社、日立マクセル(株)、三菱化学メディア(株)、米ユニバーサル・ピクチャーズ社、米ニューライン・シネマ社などが支持を表明している。

 また、Blu-ray DiscとHD DVDの双方に対応したドライブやディスクの開発も進んでいる。たとえば、韓国のLG電子がBlu-ray Discの記録再生とHD DVDの再生に対応したコンボドライブを発表し、米ワーナーホームビデオ社がBlu-ray DiscとHD DVDに対応する“Total Def Disc”を発表している。ともに2007年第一四半期に発売を予定している。


 

■マーケット情報

   

■注目の関連書籍

  • 光ディスクの秘密―ブルーレイ・ディスク(BD)、HD‐DVDの全貌に迫る

    電波新聞社刊 今中 良一,河田 聡 著 2310円

    http://www.amazon.co.jp/dp/4885547954/

 

■関連記事(ASCII24)

   

■その他関連サイト

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中