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簡単操作でイロイロ使える! 8つの機能を搭載したコンパクト複合機

“見楽る”UX-MF50CL

2006年11月06日 00時00分更新

文● 伊藤裕也

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シャープ
オープンプライス
(実売価格:4万3000円前後)
https://store.sharp.co.jp/
http://www.sharp.co.jp/mirakuru/

白いボディーがリビングルームにも似合う

スタイリッシュなコンパクト複合機

シャープの複合機、“見楽る”「UX-MF50CL」。ファクス、カラーコピー、プリンターなど8つの機能を備え、有線ネットワークにも標準対応する。

シャープの複合機、“見楽る”「UX-MF50CL」。ファクス、カラーコピー、プリンターなど8つの機能を備え、有線ネットワークにも標準対応する。

 プリンターやスキャナー、ファクスといった機器は、手元に1台あるとビジネスだけでなく家庭でもいろいろ重宝するものだ。例えば、プリンターならハガキの印刷や学校・町内会で使う文書の出力はもちろん、明日の仕事で使うプレゼンテーション資料の印刷を自宅で行なうことも可能だ。スキャナーがあれば何かとたまりがちな紙資料をデジタルデータにして場所を取らずに保存したり、ファクスなら遠隔地にいる親戚に手紙代わりの挨拶状や最寄り駅からの地図なんかも手軽に送受信できる。

 しかし、これらの機器を個別に用意して設置すると、いくら最近は小型化されていると言っても家庭ではスペースが足りなくなる。仮に設置場所が用意できても、これらの機器を個別に管理・運用するのはやっぱり面倒だ。そんな理由から、最近では単機能プリンターよりも複合機の方が家庭でも高い売れ行きを見せているという。

原稿カバーならびに用紙トレイを兼ねるフロントカバーを開けたところ。用紙トレイの右奥に見える小さなパーツは、ハガキ用紙トレイ。ハガキ・L判サイズの印刷時にはこのトレイを引っ張り出して紙をセットする。

原稿カバーならびに用紙トレイを兼ねるフロントカバーを開けたところ。用紙トレイの右奥に見える小さなパーツは、ハガキ用紙トレイ。ハガキ・L判サイズの印刷時にはこのトレイを引っ張り出して紙をセットする。

 9月にシャープから発表された「見楽る UX-MF50CL」も、そうした複合機の最新モデル。UX-MF50CLは、ホワイトを基調とした495(W)×337(D)×160(H)mmのコンパクトなボディーに

  • カラーインクジェットプリンター
  • フラットベッド式カラースキャナー
  • カラーコピー(高速カラーコピー対応)
  • ファクス送受信(カラー対応)
  • 電話機(デジタルコードレス子機1台付属)
  • デジタルカメラなどからのダイレクトプリント
  • パソコンからのファクス送信
  • 携帯電話とのデータリンク

――という8つの機能をまとめた個人・SOHO向けの複合機である。

UX-MF50CLのユーザーインターフェース。液晶ディスプレーに表示されるメニューの操作は、十字形のコントローラと液晶ディスプレー右横にあるボタンで行なう。これらのボタンに加えて、コピーやファクス送信を開始するスタートボタン、留守録・再生ボタンなど、即座にアクセスしたい機能については個別にボタンが用意されているので分かりやすい。

UX-MF50CLのユーザーインターフェース。液晶ディスプレーに表示されるメニューの操作は、十字形のコントローラと液晶ディスプレー右横にあるボタンで行なう。これらのボタンに加えて、コピーやファクス送信を開始するスタートボタン、留守録・再生ボタンなど、即座にアクセスしたい機能については個別にボタンが用意されているので分かりやすい。

 最大の特徴は、4.3インチと大型のカラーASV液晶ディスプレーをボディー前面に搭載していること。この液晶ディスプレーは8つの機能を操作する際の操作メニューを表示するだけでなく、例えばファクス機能では受信して本体の内蔵メモリー(A4の標準的な画像データで約60ページ分)に記録されたファクスデータの閲覧、デジタルフォトのダイレクトプリントでは読み込んだ画像データの一覧表示やプレビューと、それぞれの機能に活用される。操作するボタン類は液晶ディスプレーの横に配置されたメニューボタンとカーソルボタンなどで、液晶ディスプレーに表示されるメニューに従っていけば、マニュアルなしでも比較的容易に操作できるようになっている。

ファクスをメールに添付して送信できるので

外出先でも受信ファクスを確認可能

 UX-MF50CLが搭載する主な機能を細かく見ていくと、プリンターはA4までの用紙サイズに対応し、一度にセットできる給紙枚数は普通紙で最大100枚、ハガキでは30枚まで。給排紙は、ともにボディー前面のトレイから行う方式だ。厚紙やCD/DVDのレーベルプリント機能は持たないが、用紙の補充ならびに印刷した用紙の回収がボディー前面から行なえるので手軽に使える。

 プリントエンジンは日本ヒューレット・パッカード(株)製で、インクは標準で4色インクを装備するが、オプションで6色インクに差し替えてより高画質なフォト印刷も可能だ。4辺ふちなし印刷にも対応し、印刷解像度は4800×1200dpi。印刷のきめ細かさや画質面でも実用上十分なスペックとなっている。

プリンターのインクタンクは、ボディー上面を開くことでアクセスできる。カートリッジのセットはガイドに合わせてスライドさせるだけと簡単だ。

プリンターのインクタンクは、ボディー上面を開くことでアクセスできる。カートリッジのセットはガイドに合わせてスライドさせるだけと簡単だ。

 ダイレクトプリント機能は、SDカード/miniSDカード、マルチメディアカードを直接接続できるメモリーカードスロットに加え、USBメモリーやPictBridge対応のデジタルカメラから直接画像を読み出して印刷できるUSB端子を前面に搭載。例えば、メモリーカードの内容を直接印刷するには、メモリーカードをUX-MF50CLに差し替えたあとで“ダイレクトプリント機能”を選択し、液晶ディスプレーに表示されるサムネイル画像から印刷したいものを選ぶだけと、至って簡単だ。

 特にメモリーカードの画像データを印刷する場合は、現在選択している画像と前後4つの画像ファイルのサムネイルが一度に見られる“5画面表示モード”に加え、より多くの画像ファイルを一目で確認したい状況に適した4×4の“16画面表示モード”が用意されている。また、用紙サイズの変更や選択画像の複数枚印刷、複数の画像ファイルを選択しての一括印刷なども、液晶ディスプレー横のメニューから容易に操作できて便利だ。

 携帯電話機で撮影する機会が多い方には、赤外線通信機能でケーブルレスに印刷実行できる“IrSimple”が便利だ。見楽るでは今回のモデルチェンジで新たに搭載された機能で、携帯電話機でプレビュー、選択した画像を手早く印刷実行できる。

ボディー前面。左側のSHARPロゴの下には、USB端子と赤外線通信端子、SDメモリーカードスロットが用意されている。miniSDカードを使う場合は別途変換アダプターが必要。

ボディー前面。左側のSHARPロゴの下には、USB端子と赤外線通信端子、SDメモリーカードスロットが用意されている。miniSDカードを使う場合は別途変換アダプターが必要。

ボディー背面。端子類はモジュラージャック×1とEthernetポート×1のシンプルな構成。中央下部のカバーは、ボディーの前面にあるトレイから本体内部に送られた用紙をトレイ側に折り返すためのUターンユニット。

ボディー背面。端子類はモジュラージャック×1とEthernetポート×1のシンプルな構成。中央下部のカバーは、ボディーの前面にあるトレイから本体内部に送られた用紙をトレイ側に折り返すためのUターンユニット。

 最近のプリンター/複合機では、逆行や色かぶりなど多少の失敗写真であればパソコンを使わずにプリンター単体で補正できる色調補正機能を搭載したモデルが増えている。このUX-MF50CLも、輝度・コントラスト・彩度の3項目については本体だけで画質の調整が可能だ。それぞれの項目は5段階で調整できる。もちろんパソコンを使っていれば、フォトレタッチソフトなどを使って細部まで編集・加工できるが、そんな手間をかけずにとにかく今日撮影してきた写真を印刷してみんなで回し見したい場合には、この色調整プリントとダイレクトプリント機能が便利だ。

 スキャナーは最大A4サイズの原稿に対応するフラットベッドタイプで、解像度は600×600dpi(光学解像度)。ちなみにこのスキャナー台の原稿カバーはヒンジ部分がスキャンする原稿の厚みに応じて上にスライドするようになっており、厚さ15mmm程度までならカバーが水平を保つように工夫されている。単行本や百科事典などの厚い資料をスキャンする機会が多い人にはうれしいポイントと言えよう。

最初はコピー機能のメニュー画面。倍率や用紙サイズの変更、フチのあるなしなど、さまざまな項目を選択できる。

最初はコピー機能のメニュー画面。倍率や用紙サイズの変更、フチのあるなしなど、さまざまな項目を選択できる。

スキャナー機能のトップメニュー。スキャンしたデータをどのように扱うのか、ここで指定する。USBで接続したPCに送ることはもちろん、ネットワーク接続時にはスキャン結果をE-mailとして送信することも可能だ。

スキャナー機能のトップメニュー。スキャンしたデータをどのように扱うのか、ここで指定する。USBで接続したPCに送ることはもちろん、ネットワーク接続時にはスキャン結果をE-mailとして送信することも可能だ。

携帯電話機とのデータ連携を行うケータイリンクの画面。携帯電話機からのフォトプリントや電話帳の取り込みが可能だ。

携帯電話機とのデータ連携を行うケータイリンクの画面。携帯電話機からのフォトプリントや電話帳の取り込みが可能だ。

ファクス送信の画面。ADFはないものの、原稿を順に差し替えて読み込むことで複数枚の送信も可能。

ファクス送信の画面。ADFはないものの、原稿を順に差し替えて読み込むことで複数枚の送信も可能。

フォトプリント。写真は5画面モードの場合だが、ボタンひとつで4×4の16画面モードに切り替え可能だ。

フォトプリント。写真は5画面モードの場合だが、ボタンひとつで4×4の16画面モードに切り替え可能だ。

UX-MF50CLの操作方法ならびにトラブル解決方法を液晶ディスプレー上でわかりやすく教えてくれる本体内蔵の“液晶操作ガイド”。困ったときに便利。

UX-MF50CLの操作方法ならびにトラブル解決方法を液晶ディスプレー上でわかりやすく教えてくれる本体内蔵の“液晶操作ガイド”。困ったときに便利。

UX-MF50CLの液晶ディスプレーに表示される各機能のメニュー。液晶ディスプレーの右横にあるボタンはメニューごとに機能が切り替わる。と言っても、液晶ディスプレーの右側にそのときの機能が常に表示されるので、困ることはないだろう。

 ファクスもほかの機能と同様、送受信ともに用紙サイズはA4まで対応。ファクス送信の手順はスキャンやコピーと同じ要領で、原稿カバーを開いて原稿を置き、スキャナー機構でスキャンして送信――という流れ。複数枚の原稿を送信する場合は、上記手順を繰り返せばいい。ちなみに、UX-MF50CLの上位モデルにあたるUX-MF60シリーズではADF(オートドキュメントフィーダー)が搭載されており、複数枚のファクス送信が多い方やビジネスユースを重視する人は、こちらを検討してはいかがだろう。

 ファクス受信については、受信した原稿をすぐ印刷するだけでなく、内蔵メモリに保存して4.3インチの液晶ディスプレーで確認して必要なものだけ印刷する“見てからプリント”、指定したメールアドレスに画像ファイルとして添付して送信する“FAX to E-mail”機能を備えるなど充実している。

 このFAX to E-mail機能は、家庭向け複合機ながらネットワークに標準対応し、10/100BASE-TX対応のEthernet端子を搭載しているからこそ実現できた機能だ。ファクスサーバーソフトなどを使えば同等の機能が使えるものの、一般家庭でそうしたサーバーを専用に立てるのは非効率だし、構築やメンテナンスに手間もかかる。標準でファクスサーバー機能を持つのは、そんな手間を省くだけでなく、紙やインクをムダにしない省コスト/省資源にもつながるし、屋外からも受信できるメールアドレスに転送しておけば、自分が家にいない時に受信したファクスを外出先で確認することが可能になる。もちろん、ファクスの送受信だけでなく、ネットワークプリンターとして家庭内LANに参加しているパソコンからの印刷、さらにはスキャンした原稿データをメールで送信する“Scan to E-mail”といったことも可能だ。

 価格はオープンプライスで、シャープが運営するオンラインストア“いい暮らしストア”での販売価格は4万7200円(5年延長保証セット)。複合機としては少し高めに感じるかもしれないが、他社の複合機はファクス機能を省略したものが多く、ファクス機能とネットワーク機能を標準で搭載ながら、コンパクトなボディーに8機能をバランスよく詰め込んだ点は高く評価できる。取り扱いも簡単で、ホームユースのほか、仕事を持ち帰りがちなお父さんの仕事の友にもピタリの1台だ。プリンターやファクスの買い換えを考えている方、今年は複合機を導入してみようと考えている方には、UX-MF50CLは魅力ある選択肢のひとつと言える。

見楽る UX-MF50CLの主なスペック
製品名 UX-MF50CL
印刷解像度 最大4800×1200dpi
印刷速度 モノクロ文書:毎分約26枚
カラー文書:毎分約24枚(JEITA標準テストパターン使用の同社測定値)
使用インク 4色(オプションで6色フォトインク対応)
用紙サイズ A4~B5、L判/2L判、長形3号/4号封筒、はがきなど
給紙容量 普通紙100枚、はがき30枚
スキャン解像度 最大1200×1200dpi
スキャン階調間 入力:RGB各16bit、出力:RGB各8bit
液晶ディスプレー 4.3インチASV液晶パネル
インターフェース 10/100BASE-TX、USB 2.0(Full Speed)
本体サイズ 495(W)×337(D)×160(H)mm
重量 約6.4kg

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