今週火曜日、日本時間の10日深夜に、いよいよ毎年恒例となるMacの展示会“Macworld Conference & Expo/San Francisco”が、米アップルコンピュータ社CEO、スティーブ・ジョブズ氏の基調講演で開幕する。
基調講演が行なわれるのは、日本時間で10日の深夜2時、米国では9日の午前9時だ。ただし、Macworld Expo常連組は注意してほしい。今回の基調講演会場となるのは、ジョブズの復帰以来使われてきたエスプランデ・ボールルーム(Esplanade Ballroom、Google Mapsのポイント)ではない。
新会場は、モスコーンセンター・ウェスト(Moscone Center West、Google Mapsのポイント)とされている。恐らく、近年、毎年、Worldwide Developers Conference(WWDC)で基調講演を行なっている最上階の大ホールだろう。
もはや、エスプランデ・ボールルーム(先のGoogle Mapsへのリンクの中央に表示される建物)の広さでは、ジョブズの講演の来場者を収容するのに狭すぎる。
イベント会場となるモスコーン・センターの正式資料(外部リンク)によると、エスプランデ・ボールルームの広さは53×75mの約3975m2。これに対してモスコーンセンター・ウェストは、87×93mの8091m2と、面積だけでも倍近くある。
おまけにMacworld Expoとなると、ジョブズの基調講演を見ようと、毎回、前日の夜から数百メートルに渡る長蛇の列ができ、翌朝には数kmまで伸びる。
これまでイベント開催者側は、この列の処理に頭を抱えていたが、モスコーンセンター・ウェストでは一番大きい最上階大ホールの下に同じ広さの3階フロアがあるため、その一部を行列用スペースに利用できるだろう。
ただし、だからといって気を抜くわけにはいかない。今年はMacworld Expoへの来場者も例年に比べてかなりの増加が見込まれている。そのためかマスコミの中にも11月時点でプレス登録をしたにも関わらず、基調講演での座席は保証できないという通知をもらった人もいる。
米アップルのウェブページに、「The first 30 years were just the beginning. Welcome to 2007.(最初の30年はほんの序章に過ぎなかった。2007年へようこそ)」という大胆な予告メッセージが掲載された今、参加者はさらに増えそうだ。
Expo会場周辺を空から散策
Macworld Expoに興味があっても、この業界の人間でなければ、この時期にサンフランシスコまでなかなか行けるものではない。ここではせっかくイベント開催前なので、誰でもアクセスできるGoogle Mapsを使って、もう少し会場周辺の空の案内を続けよう。
まずはMacworld Expoのメインの展示会場となる、モスコーンセンター・サウス(Moscone Center South、Google Mapsのポイント)から。「さっきのエスプランデ・ボールルームと同じでは?」と思った人もいるかもしれないが、実は少しだけ中心がずれていることにお気づきだろうか。
四辺を道路に囲まれた1ブロックをまるまる画面の中に収めたつもりだ。実はこの1ブロックの地下に、Macworld Expoの展示会場となる255×84m(2万1420m2)の巨大なスペースと、いくつかの大ホールがある。地図上の車の大きさなどと比較してもらうとイメージしやすいだろう。
昨年くらいまで、Macworld Expoの出展者はやや縮小傾向にあり、すべてのブースがこのモスコーンセンター・サウスに収まってしまっていた。
しかし、今年のMacworld Expoは勢いがある。再び北側にあるMacworld Expo誕生の地、モスコーンセンター・ノース(Moscone Senter North、Google Mapsのポイント)にも返り咲いたのだ。
モスコーンセンター・ノースは、この緑豊かな1ブロックの地下にある。会場としての面積は158×80mで1万2610m2と、サウスの半分程度だ。
Macworld Expoの主催者は、このMacworld生誕の地を、常にベンチャースピリットに溢れた新興企業に提供していた。こちらのホールで雑誌などで見かけたことがない、まったく新しい製品を発掘するのも、Macworld Expoに来る醍醐味のひとつだったのだ。
同時にモスコーンセンター・ノースに出展していた小さなメーカーが成長して、数年後に華やかなモスコーンセンター・サウスに大きなブースを構えている姿を見るのも常連組のささやかな楽しみだった。