このページの本文へ

キヤノン、オフィス向けLBP“Satera”6機種を発表——両面印刷に標準で対応したA4モノクロ複合機“Satera MF4000”など

2007年01月17日 00時00分更新

文● 編集部 永水和久

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

キヤノン(株)とキヤノンマーケティングジャパン(株)は17日、オフィス向けレーザープリンター“Satera(サテラ)”シリーズの新製品として、両面印刷機能を標準装備したA4モノクロ複合機『MF4150』『MF4130』『MF4120』を25日に、A4カラーレーザープリンター(カラーLBP)『LBP5100』を2月下旬に、最大給紙枚数1850枚のA3モノクロレーザープリンター(モノクロLBP)『LBP3970』『LBP3920』を同日付けで発売すると発表した。


価格は、複合機の3機種はオープンで、編集部による予想販売価格はMF4150が5万円前後、MF4130が4万5000円前後、MF4120が4万円前後。LBPの価格は、LBP5100が8万9800円(税別)、LBP3970が14万8000円(税別)、LBP3920が12万8000円(税別)となる。

モノクロ複合機に3機種をラインアップ

“Satera”『MF4150』の写真

“Satera”『MF4150』

“Satera”『MF4130』の写真

“Satera”『MF4130』

“Satera”『MF4120』の写真

“Satera”『MF4120』

モノクロ複合機の3機種に共通な機能として、印刷実行時に必要な部分のみを瞬時に加熱してトナーを定着させることで、ウォームアップ時間を短縮する同社独自の定着技術“オンデマンド定着方式”を搭載するのが特徴で、ファーストコピーは9秒で行なえる。自動両面印刷機能を標準で搭載。A4原稿2枚を縮小して1枚の用紙に印刷する“2 in 1”コピーにも対応し、両面印刷機能と併用すればA4用紙1枚に表裏合わせて4枚の原稿を縮小コピーできる。印刷速度は毎分20枚(A4印刷時)で、印刷解像度は、プリント解像度が1200相当×600dpiで、データ解像度は600×600dpi。給紙枚数は標準カセットで250枚と手差しトレイが1枚。イメージスキャナーの取り込み解像度は600×1200dpi。

MF4150とMF4130はADF(オートドキュメントフィーダー)装備し、最大35枚の原稿をセットできる。ADF使用時の、イメージスキャナーの取り込み解像度は600×600dpiとなる。最上位モデルのMF4150のみスーパーG3(33.6kbps)対応のファクス機能を搭載しており、1タッチボタンの登録件数は8件、短縮ダイヤルは最大100件、同報送信は最大124宛先を設定できる。メモリー送受信機能は約256ページぶん内蔵する。

インターフェースはUSB 2.0(Hi-Speed)を装備する。対応OSはWindows XP/2000/Me/98、Mac OS X 10.2.8〜10.4.6。Windows Vistaにはドライバーのダウンロード配布により対応する予定。ユーティリティーソフトとして、パソコンからのスキャン操作や、OCRによるテキスト情報の抽出、透過テキストを配置して文字列検索が可能なPDF文書の作成などが行なえるソフト『MF ToolboxVer.4.90』が付属する。ソフトの対応OSはWindows XP/2000/Me/98。

キヤノンMJ コンスーマ販売企画第二部 パーソナルドキュメント企画第一課 チーフの五十嵐 久人氏の写真

キヤノンMJ コンスーマ販売企画第二部 パーソナルドキュメント企画第一課 チーフの五十嵐 久人氏

記者向けの説明会で、キヤノンMJ コンスーマ販売企画第二部 パーソナルドキュメント企画第一課 チーフの五十嵐 久人(いがらし ひさと)氏に、新ラインアップの複合機3機種の投入理由について聞いたところ、「A4モノクロレーザー複合機の市場規模は、弊社の調べでは、2005年が4万台、2006年が6万5000台で、2007年は7万2000台を推定している。約30万台の市場を持つA4モノクロシングルファンクションと比較すると、4分の1から5分の1の市場だが、これからまだまだ伸びると予想している」と回答。

「弊社の調べでは、マルチファンクションのメーカーシェアは、2004年から今年の11月までブラザー工業(株)とキヤノンによるシェアの取り合いとなっている(シートフィーダータイプ抜き)。2004年のシェアはブラザー工業61.8%に対しキヤノン38.1%、2005年のシェアはブラザー工業49.1%に対しキヤノン49.5%、2006年は11月までのシェアでブラザー工業51.8%に対しキヤノン48.2%となっている。今回の新製品でシェアナンバーワンとなり、そして継続していきたい」とも述べた。

加えて、「2006年下期におけるレーザー複合機全体のシェア(キヤノンマーケティングジャパン調べ)をジャンルで分けると、

  1. コピー、スキャナー、プリンター機能を備えるスタンダードなモデルが45%
  2. 1のモデルにファクス機能を搭載したモデルが30%
  3. 2のモデルにネットワーク機能を搭載したモデルが10%
  4. シートフィーダータイプのファクス機能を備えたモデル(ブラザー工業のみ)が15%

の4つに分類できる」とし、「今回は、シェアの最も多い1の市場に2機種、その次に多い2の市場に1機種を投入する。ターゲットは“Satera”のメインターゲットでもある、日本に500万事業所あるという従業員10人以下の小規模事業所」と述べた。

機能強化を図りつつ価格も抑えたカラーLBP

“Satera”『LBP5100』の写真

“Satera”『LBP5100』

LBP5100は、2005年10月に発表した『LBP5000』の機能強化を図ったモデルで、モノクロの印刷速度(A4印刷時)を毎分8枚から12枚に、カラーの印刷速度(A4印刷時)を毎分8枚から10枚に高速化したのが特徴。従来機種同様、同社独自の定着技術“オンデマンド定着方式”を搭載しており、スリープモード(省電力待機)からのウォームアップは0秒、電源投入からのウォームアップはLBP5000では190秒だったが、LBP5100ではさらに、“オンデマンド定着方式”の最適化により、電源投入からのウォームアップを15秒へ短縮した。新たに自動両面印刷にも標準で対応している。印刷解像度は最大で9600×600dpi相当。給紙枚数は標準で給紙カセット(250枚)と手差しトレイ(1枚)を装備し、オプションで250枚の給紙が行なえるカセットを追加できる。

インターフェースはUSB 2.0(Hi-Speed)を標準搭載し、10/100BASE-TX準拠のEthernetと無線LAN(IEEE802.11b/g)をオプションでサポートする。オプションで選択できるネットーワーク機能はMacintoshにも対応した。対応OSはMac OS X10.3.9以降で、対応プロトコルはTCP/IP。内蔵メモリーは8MBから16MBに増やされている。待機時の駆動音は25dBから無音(暗騒音)になり、消費電力も待機時50W以下が約16Wに、スリープ時12W以下が約6Wに低減された。本体サイズは約幅407×奥行き365×高さ394mmで、重量は約18kg。

給紙枚数の充実を図ったモノクロLBP

“Satera”『LBP3970』の写真

“Satera”『LBP3970』

“Satera”『LBP3920』の写真

“Satera”『LBP3920』

LBP3970とLBP3920は、標準で給紙カセット(250枚)と手差しトレイ(100枚)を備えたLBP。LBP3970は給紙枚数最大500枚のカセットを3台まで追加でき、最大1850枚の給紙を行なえるのが特徴。LBP3920は、給紙枚数最大500枚のカセットを1つまで増設でき最大850枚の給紙に対応できる。

そのほか、主な仕様はほぼ共通で、解像度は600×600dpi、同社の補正技術“SST”により最大2400相当×600dpi。印刷速度はA3印刷時で毎分18.5枚、A4印刷時で毎分35枚(LBP3920は毎分30枚)。インターフェースはUSB 2.0(Hi-Speed)と10/100BASE-TX準拠のEthernetを標準搭載する。駆動音は動作時55dB以下/待機時33dB以下。消費電力は最大980W以下/平均約560W(LBP3920は約530W)/待機時約38W。本体サイズは幅518×奥行き439×高さ292mmで、重量は約19.3kg。

キヤノンMJ ビジネスプロダクト企画本部 ページプリンタ商品企画部 ページプリンタ販売企画課の萩生田 和暁氏の写真

キヤノンMJ ビジネスプロダクト企画本部 ページプリンタ商品企画部 ページプリンタ販売企画課の萩生田 和暁氏

キヤノンMJ ビジネスプロダクト企画本部 ページプリンタ商品企画部 ページプリンタ販売企画課の萩生田 和暁(はぎうだ かずあき)氏に、レーザープリンター(LBP)のメーカーシェアについて聞いたところ、「弊社の調べでは、弊社は2004年は第3位だったが、2005年4月に発表した『LBP5900』『LBP5600』のほか順次製品を投入していった結果、2006年には、社長の村瀬が掲げた、2006年までにカラーLBPのシェア第1位をとる、という目標を達成できた。カラーLBPの第1位は5年ぶりだが、モノクロLBPとカラーLBPを合わせた全体としては、現在約30%のシェアを持ち、15年連続で第1位をキープしている」と回答。

加えて、「カラーLBPのシェア第1位を取るまでの動向として、2005年は、他社含め1D(1ドラム)方式が主流の中、弊社が、カラー印刷が速い4D方式を採用するLBP5900、LBP5600や、LBP5000を投入。それがカラー印刷の速度向上を求めるビジネスユーザーに特に受けた。2006年は『LBP5400』『LBP5300』を、そして社長が掲げた目標のシェア第1位を達成した」と延べ、「カラーLBPの市場はまだまだ広がると見ている。今までは、A3がカラーLBPもモノクロLBPも大きかったが、2003〜2005年の伸びをみると、弊社の調べでは、A4カラーLBPの市場が150%と一番伸びており、注目の市場と言える。今回は、高いコンパクト性と6万円を切る価格がインクジェットプリンターからの買い替えを進めたLBP5000に、ユーザーからの追加機能のリクエストに答えた形のLBP5100を投入し、さらにお客様のニーズに答える」と述べた。

モノクロLBPの市場規模についても聞いたところ、「弊社の調べでは、A3モノクロLBPの市場が縮小傾向にあるが、それでも全体約100万台のうち約半分がA3モノクロLBPの市場で、依然として大きい。A3モノクロLBPは一般OA用途よりも、帳票などの業務用途がメインと言え、備える機能もそういった用途向けに集約していく方向にある。そこで、2006年には業務用途を意識した『LBP3950』『LBP3900』を投入。さらに今回、LBP3970、LBP3920を投入してお客様のニーズに答える」と説明した。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン