熱狂の舞台「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」再演決定! サティーン役平原綾香さん「お漬物に例えると…」キャスト陣困惑の意気込みを語る

文●オシミリン(LOVEWalker編集部)

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 昨年大人気のうちに幕を閉じたあの熱狂のミュージカル、「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」の再演が決定しました!

 「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」といえば、2018年のボストン公演を皮切りに2019年にはNYブロードウェイ公演がオープンし、トニー賞最優秀作品賞(ミュージカル部門)をはじめとし、なんと10部門もの受賞に輝いた超話題のミュージカル。昨年夏にはついに日本に上陸し、帝国劇場で幕が開きました。バズ・ラーマン監督による映画「ムーラン・ルージュ」をベースに、映像によってつくり上げたきらびやかなビジョンを、アレックス・ティンバース演出によってさらにパワーアップさせ、めくるめく世界へと観客をいざなう、まさに豪華絢爛な舞台となっています。

 私も昨年の上演時にはすごく気になっていたのですが、チケットを取るのに出遅れてしまい、観劇することはできず…。観てきた人の感想などをSNSで見かけるたびに羨ましい気持ちでいっぱいでした。そんな「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」がこの夏、再び帝国劇場に帰って来るということで、今度こそは絶対にチケットをゲットしなくては! 

 2月1日には、「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」再演の制作発表記者会見が、The Place of Tokyoにて開催。キャスト4名が登場したこちらの会見に行ってきました! ますます再演が楽しみになった会見の内容をお届けします。

初演が行われた熱狂の夏を振り返る!

 「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」の舞台は1899年、パリ。激しい恋に落ちたアメリカ人作家クリスチャンと、ナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」の花形スター、サティーンの物語です。

 会見にはサティーン役の望海風斗さんと平原綾香さん、クリスチャン役の井上芳雄さんと甲斐翔真さんが登場しました。

 まずは昨年の公演を振り返ってのトークがスタート。望海さんは「公演が始まってからは、非現実的な毎日だったのでもうあまり記憶がなくって、まるで夢の中に生きていたようです」と振り返りました。

 平原さんは、昨年は歌手デビュー20周年の年でもあったそう。「レコーディングや生放送なども多かったので、覚えることが多くて忙しい毎日でした。もちろん昨年も全力でやっていたのですが、今年はミュージカルデビューの10周年になるので、『ムーラン・ルージュ』1つにかけて頑張りたいです」と話しました。さらに、「お漬物に例えると…」と話し始めた平原さん。お漬物…?と登壇者一同が少々困惑する中、「古漬けくらいサティーンを染み込ませて頑張ります」と意気込みを語りました。井上さんの「なんでお漬物に例えたのかわからないけど、意気込みは伝わりました(笑)」というツッコミで会場は和やかな雰囲気に。

 「ムーラン・ルージュ」がもともと大好きだったという甲斐さん。昨年の公演後、秋にはパリで本場の「ムーラン・ルージュ」も観てきたとのこと。「パリに観に行ったことで、より一層クリスチャンの気持ちがわかるようになりました。昨年は本当に楽しかったので、再演できて本当に嬉しいです」と話しました。

 井上さんは、「よくあんなに若い役をやってたな…」と振り返ります。「舞台上ではキラキラ感を出して頑張るんですが、終わった瞬間疲れがすごいです(笑)。でも、疲れてても始まるとテンションがどんどん上がっていく魅力のある作品だと思います」と語りました。

魅力的なナンバーの数々の中で特にお気に入りは…?

 ポピュラーミュージック約70曲がマッシュアップされたミュージカルである「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」。日本公演では世界初の試みとして、松任谷由実を筆頭に現在日本の音楽シーンで活躍するアーティストたちが訳詞を提供したことでも話題を呼びました。そんな魅力的なナンバーの数々から、4人がそれぞれ好きなナンバーについて語りました。

 平原さんが好きだというのは、「ファイヤーワーク」。1人で客席側を見て歌う曲はこの曲のみということで、日頃から歌手活動をしている平原さんにとっては、「前を見て歌えるってすごく楽!」とのこと。

 それに対して甲斐さんは、「前を見てお客さんに向かって歌うのは、逆に緊張してしまいますね」と話します。「デュエット曲も素敵だし、みんなで作るようなナンバーも好きだし、全部好きですね!」と「ムーラン・ルージュ」愛が感じられる回答をしました。

 井上さんのお気に入りは「クレイジーローリング」。「どんどん変わっていけるシーンなので楽しい!」と話すと、平原さんも「あのシーン、かっこいい! 私もやりたい!」と反応。井上さんのもう1つのお気に入りは「ロクサーヌ」。「ダンサーたちが素晴らしいダンスを踊っていて、その間を縫いながら歌うというのが、今までほとんどやったことがないことでした。少しでもずれるとぶつかってしまうので緻密さが必要になってくるけれど、だからこそ痺れるシーンになっていますね」と語りました。

 望海さんは「ユアソング」が一番好きだそう。「相手の歌によって自分の心が動いて、二人の心が変化していく様子が1曲の中に詰まっていて、とてもロマンチックだと思います」と話しました。

2025年2月に休館を迎える帝劇への思い

 2025年2月に建て替えのために休館となる帝国劇場。「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」は帝国劇場のクロージング ラインナップの1つとなっています。長い歴史を持ち日本の代表的な劇場として、“帝劇”の愛称で親しまれてきたこの劇場について、それぞれの思いを語りました。

 初舞台も帝国劇場で、これまで帝国劇場で上演されてきた数々の舞台に出演されてきた井上さん。帝劇はホームのような存在だと話します。「建て替えでなくなってしまうというのは想像がつかないですね。もちろん寂しいですが、新しい帝劇がまたできますので、再びその舞台に立つ日まで頑張りたいです」と語りました。

 2022年上演の「ガイズ&ドールズ」で初めて帝国劇場での舞台に出演した望海さん。「ギリギリ今の帝劇に立てて良かった」と思いを語りました。また、宝塚出身の望海さんは、「帝劇は宝塚の劇場と似ている部分もあって、初めて立つときはもちろん緊張もしたけれど安心感もありました」とも話しました。

 平原さんは、「歌手活動をしていると帝劇は観劇に行く場所だったので、『ビューティフル』(2017年初演)で初めて立った時も、まだあまりすごさがわかっていなかったんです。でもいろんな人から帝劇ってすごい場所なんだよ、と教えてもらって、歌手にとっての武道館のようなイメージなのかなと思っています」と語りました。また、帝劇のにおいが好きだという平原さん。「あのにおいを嗅ぐと、演劇スイッチが入るんです。リニューアルされても、ぜひにおいだけは引き継いでほしいです!」とのこと!

 甲斐さんは、2022年に上演された「エリザベート」で初めて帝国劇場の舞台に立ちました。「歴史ある重厚感のある場所で、そこに自分が立つこと自体が夢みたいでした。今の帝劇がなくなってしまうのはもちろん寂しいんですが、新しくなった帝劇で歴史を作っていくことが大事なことだと思うので、1人の俳優として頑張っていきたいです」と語りました。

 最後に、井上さんの「昨年はすごい盛り上がりで、今年もきっと盛り上がると思います。この先もずっと上演され続けるような作品となるためには、再演が重要だと思うので、確実にそういう作品にできるように頑張っていきたいです」という意気込みで会見は締めくくられました。

 6月20日~8月7日に帝国劇場で上演され、今年は9月14日~28日に大阪・梅田芸術劇場メインホールでも上演される「ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル」。4人のお話を聞いていると、舞台がますます楽しみになって来て、待ちきれない思いです。会見は終始和気あいあいとした雰囲気で、4人の仲の良さも感じられました。今年こそは絶対にチケットをゲットして、「ムーラン・ルージュ」の世界に浸ってこようと思います!


舞台「ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル」
上演期間:東京・帝国劇場 6月20日~8月7日
     大阪・梅田芸術劇場メインホール 9月14日~28日
キャスト:サティーン 望海風斗・平原綾香
     クリスチャン 井上芳雄・甲斐翔真 ほか


文 / オシミリン(LoveWalker編集部)

大阪生まれ。
趣味は読書と写真を撮ること、おいしいものを食べておいしいお酒を飲むこと。