ソニー「HDR-CX12」は、1080iのHDビデオをメモリースティックPROデュオに記録できるAVCHD方式のデジタルビデオカメラである。
HDR-CX12は1年ほど前に発売された「HDR-CX7」(関連記事1)の上位モデルに相当する新製品で、HDR-CX7最大のセールスポイントであった「軽量・コンパクト」はそのままに、「1920×1080記録」「顔認識・スマイルシャッター導入」など、映像の表現力と扱いやすさの向上が図られている。
サイズはそのまま、高画素/高倍率化
まずはスペックから見てみよう。HDR-CX12の大きなセールスポイントとなるボディーのサイズ・重量は、サイズが幅69×奥行き131×高さ67mm。重量はボディー本体の重量が約370g、付属バッテリー「NP-FH60」を接続した撮影時重量は約450gと、HDR-CX7と完全に同等だ。
現在では他社からより軽量・コンパクトなモデルが数多く登場しているので、最小クラスとは言えないものの、横幅が抑えられていることから外観はスリムに見える。小さなバッグに入れても邪魔に感じることはあまりないだろう。
HDR-CX12のボディー形状の利点は、手で構えやすいことと、ボタン類が指の先にきちんと集中していること。つまり持ち運びやすいだけでなく、撮影時の操作も楽に行なえる。
一般的に、ボディーの小さなビデオカメラでは、無理なボタンのレイアウトにより操作性が犠牲になるものが少なくないからだ。HDR-CX12における持ち運びやすさと撮影のしやすさのバランスは優れており、大きな魅力といえよう。
レンズは光学12倍ズーム対応で、焦点距離はf=4.9~58.8mm。16:9での動画撮影時には、35mm換算ではf=40~480mm相当となる。HDR-CX7は40~400mm相当の光学10倍ズームだったので、より遠くの被写体まで狙えるようになった。
撮像素子には1/3.13インチサイズの「クリアビッドCMOSセンサー」を採用。HDR-CX7の撮像素子(1/2.9インチ)と比較すると若干小型になったが、画素数は総画素566万画素で有効画素は381万画素(16:9 動画撮影時)と、HDR-CX7の総画素320万画素、有効画素228万画素から大幅に高解像度化している。
静止画撮影に至っては有効508万画素(4:3時)で、10Mピクセル相当(解像度3680×2760ドット)での静止画撮影も実現できる。
映像処理回路には「BIONZ」(ビオンズ)を搭載。これは同社のデジタルカメラやHDビデオカメラ「HDR-SR12/SR11」に採用されているプロセッサーで、これの搭載により、顔認識機能のサポートなどを実現している。
今時のビデオカメラらしく
充実したAEモード
撮影機能は基本的に、オートでの撮影を強く意識したビデオカメラではある。とはいえ、ワンタッチで逆光補正を実行できるボタンのほか、マニュアルフォーカス操作やAE・ホワイトバランスのシフトといった操作を、前面ダイヤルにより直感的に操作できる「カメラコントロールダイヤル」を搭載する。
ダイヤルはカメラを構えながらでも無理なく操作できる位置にレイアウトされており、マニュアルコントロールを重視する人は要注目のポイントといえる。
また、AEモードは撮影状況に応じて最適なものが自動で選択されるが、「シーンセレクション」機能により手動での指定も可能だ。選択できるシーンは以下の9種類。暗い場所や地面に強い光が反射するような明るい場所での撮影で重宝するだろう。
- 夜景
- キャンドル
- 日の出&夕焼け
- 打ち上げ花火
- 風景
- ソフトポートレート
- スポットライト
- ビーチ
- スノー