この連載は江渡浩一郎、きゅんくん、青木俊介が週替わりでそれぞれの領域について語っていく。今回は江渡浩一郎がプログラミング教育向けワンボードマイコン「Micro:bit」の良さを解説する。
スイッチサイエンスが出している「chibi:bit」を触ってみた。これはものすごくよくできてる。
まず、chibi:bitとは、「Micro:bit」のクローン(コピー品)である。イギリスのテレビ局BBCが、子供向けプログラミング教育のために、Micro:bitと呼ばれるワンボードマイコンを開発した。Micro:bitは4cm×5cmという手のひらにおさまるくらいの小ささで、5×5のLEDを搭載している。11才と12才の小学生全員(約100万人)にこれを配布し、プログラミング教育を実施する。
このハードウェアと後述するWebサイトはオープンソースでリリースしており、勝手に改変して配布していい。オリジナルのハードウェアであるMicro:bitは技適を通っていないため、そのままだと日本では使えない。スイッチサイエンスは日本向けに技適の認証を受けたものとしてchibi:bitを開発した。つまり、技適が通っている以外はほぼ同じである。
日本でいうと小学6年生という特定の年代全員、約100万人にワンボードマイコンをプレゼントし、プログラミング教育しようとしているのだ。まずはこの点で、とてつもない規模の社会実験である。私は当初このニュースを聞いたとき、実はかなり懐疑的だった。
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