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「虎ノ門をXRの聖地に」TOKYO NODEで生まれた新しくクリエイティブな都市体験

「TOKYO NODE XR Hackathon powered by PLATEAU 2023 最終審査会 AWARD NIGHT」レポート

特集
Project PLATEAU by MLIT

提供: PLATEAU/国土交通省

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ゴルフの楽しさを虎ノ門で再現、PLATEAU Prize賞は「ARプロゴルファー虎!」

 PLATEAU Prize賞は虎ノ門ゴルフカントリーの「ARプロゴルファー虎!」が選ばれた。

「ARプロゴルファー虎!」はゴルフの敷居の高さを解消し、都市でもゴルフを健康的に楽しむことができるARアプリ。虎ノ門ヒルズを中心に3つのコースが用意されており、主役の「虎丸」君がプロゴルファーモードに変身し、ショットを打ってコースを進んでいくゲームとなっている。打ったボールのところまで一緒に歩いていくところがポイントだ。

虎ノ門ゴルフカントリーの毛利真克氏

知覚過敏の人たちをサポートする「XR Sensory Map」に審査員特別賞

 審査員特別賞はセンサリーカメレオンの「XR Sensory Map」に贈られた。

「XR Sensory Map」は、視覚、聴覚、嗅覚のようなさまざまな感覚に対して過敏に反応してしまい、一歩外に出ることすら難しいという知覚過敏の人たちの生活を支えるサービスだ。センサリーカメレオンが開発したのは、事前に刺激情報を確認するVRアプリ「VR Sensory Map」と、AR技術で現地の刺激物の位置を示し、入ってくる感覚刺激を抑えながらナビゲーションできるARアプリ「AR Sensory Map」の2つ。

 特に後者は、まぶしいものを個人の特性に合わせてマスキングするなど、従来のAR技術の活用とは真逆の使い方がされているところがポイントだ。今回のハッカソンの枠組みの中では評価し切れなかったが、その取り組みとしての価値に急遽、特別賞が設けられた。実際に知覚過敏の人たちをフィールドワークをし、問題解決のアプローチを突き詰めている点も評価された。

VR Sensory Map

SR Sensory Map

「虎ノ門という街をXRの聖地に」

 各賞の発表後、各審査員がイベントを振り返りコメントを行った。

松島氏:ただXR技術を持ってくるだけではなく、「この虎ノ門でやることの意味はなんなのか」、「モビリティーの中でやることの意味は何なのか」といった意味と文脈、あるいは記憶など、そういったコンテクストまで抱えながらやる域までこのXRは達しているというのを感じましたし、「なぜここでこれをやるのか」という文脈を考え抜いた作品はやはりすごく面白かったです。

内山氏:ハイレベルでここまでしっかりと実装した作品がたくさん見れるとは思っていませんでした。作ったみなさんも、見ている方々も、デジタルツインのデータがあると「こんなことができるのでは」と新たに発見をしてもらえたのではないかと思います。デジタルツインのポテンシャルを引き出して新しいソリューションにつなげる、またこんなまちづくりができるというプラクティスが積み上がれば、日本全体のDX推進や新しいソリューションの創出につながってくると思います。

杉山氏:デベロッパーが主導で街をつくるような従来の形から、これからは街に参加する方が増えて、そこから新しい街のサービスなどを作っていく時代が来ると思っています。今回はその先駆けとしてすごく未来を感じましたし、実際にそうなっているものもありました。虎ノ門ヒルズエリアは、アーティスト・クリエイターの発想で次の時代を切り拓いていこうということでこのTOKYO NODEを作ったり、街全体のコンセプトをもとに運営しています。これからも皆様と一緒に「この街で感じられる体験」を一緒に作っていければと思います。

 最後に、森ビル・杉山氏とともにTOKYO NODEでの本企画を牽引してきたというバスキュールの朴氏は、実施の背景とこの先への期待を述べて、イベントを締めくくった。

朴氏:1回目のこのXRハッカソン、正直、どうなるかなと思っていましたが、想像を超える発表がたくさんあって、僕自身が本当に楽しめたなと思っています。グランプリを受賞したチームのみなさんも言っていましたが、虎ノ門という街をXRの聖地にするという話をしました。その理由は結構シンプルで、これまでまちづくりに関わってこなかった人たちがまちづくりに関われるようにしたい、その環境を整えたいということ。そうすれば、他にはないユニークな街になるはずだというところがテーマとしてありました。その初回として、このイベントがあるというところを改めて実感しています。

 みなさんのおかげで、東京の真ん中にある街に対してこんなことができるんだとさまざまなアイデアをぶつけることができたと思っています。理想を言えば、みなさんが考えたことが消えるのではなくて、それがより強固なプラットフォームのようなものになっていって、さらにそこからいろいろなものが出てくるといいなと思います。まちづくりに関わりたいというクリエイターが集まる、そんな街にできたら楽しいなと思っているので、今回受賞したみなさんはもちろん、参加していただいたみなさん、ともにいい関係で楽しい街にしていけたらと思います。本当に今日はおつかれさまでした。ありがとうございました。

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