「たてもの」と「まち」のイノベーション第24回

スマートシティに“伝統工芸”が必要なワケ 豊洲スマートシティ推進協議会の「T-HUB」が面白い

文●ASCII

提供: 清水建設株式会社

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伝統工芸品を置いたのは「モノを見るために立ち止まるから」

── そもそも、棚に伝統工芸品を置いたのはなぜなんですか?

谷口 「知ってもらう機会がない」とおっしゃられていて。一生懸命に作られている工房の思いや、職人さんの思いを知ってもらうことで目につく機会を増やすと。支援されている中小機構と同じく、取り組みをしていきたいということです。

── 伝統工芸品のPR機会にできると。

谷口 もう1つの目的は目を引くことです。サイネージは協議会で設置する計画自体は2〜3年前から実証していたんですが、実際に設置するにあたって、サイネージだけだと目に止まりにくかった。たとえばたくさん並んでいたり、とても大きなサイネージであれば強制視認的に見えますが、1台だけだとそれだけを見る機会はなかなかないんですよね。そうなると、コンテンツ(モノ)に立ち止まった人がサイネージもあわせて見るんじゃないか。商品情報から始まって、観光情報などの楽しい情報を目にしてもらえる機会も増えるかなと。

── おお〜、なるほど! それでデジタルなサイネージの横に、あえて非デジタルなモノを置いてみようと。

谷口 デジタルもアナログなアプローチがないと届けられないんじゃないかと思いまして。

細井 実際「サイネージは風景化する」とよく言われます。それを自分事にするため、天気予報や時計、ニュースなど役立つ情報を入れてきたところもあります。

── デジタルは“エロさ”がないですからねえ。

谷口 伝統工芸品は現物を見てこその魅力がありますので。その意味では万全の展示になっているかどうかという話はあるんですが……。

── ショールーミングと言えば「店舗で見てアマゾンで買う」という話がありましたけど、T-HUBは逆ですね。T-HUBからの収益は発生するんですか?

谷口 豊洲スマートシティ推進協議会として儲ける必要はないんですが、収益が少しでも入ると、他の取り組みの原資になるかなと思っています。

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