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360mmラジエーターの簡易水冷CPUクーラーでハイエンド構成にも対応

MicroATXで338mmの長尺ビデオカードが入る、“小さな巨人”ASUS Prime AP201を試す

2022年09月17日 12時00分更新

文● 高橋佑司 編集●ASCII

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裏配線が使いやすくビデオカードの収まりも◎
電源ユニットはフルモジュラーがオススメ

試用機の主な構成
CPU インテル「Core i5-12400」(6コア/12スレッド、最大4.4GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 240」(簡易水冷、240mmラジエーター)
マザーボード ASUS「PRIME B660M-A D4」(インテルB660、Micro-ATX)
メモリー G.SKILL「F4-3200C16D-16GTZR」(8GB×2、DDR4-3200)
ストレージ Western Digital「WD_BLACK SN850 NVMe SSD WDS100T1X0E」
(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
ビデオカード ASUS「ROG Strix GeForce RTX 3050 OC Edition 8GB」
(GeForce RTX 3050、8GB GDDR6)
電源ユニット ASUS「TUF-GAMING-650B」(650W、80PLUS BRONZE)
PCケース ASUS PRIME AP201(Micro-ATX)

 それでは、実際にPCを組んでみて使用感を試してみたい。今回はあえて簡易水冷のCPUクーラー「ROG RYUJIN II 240」と3連ファンのビデオカード「ROG Strix GeForce RTX 3050 OC Edition 8GB」を採用し、内部のスペースを可能な限り活用する構成で組んでみた。

実際にパーツを組み込んでみた様子

 実際に組んでみたところ、LCDパネルを搭載するROG RYUJIN II 240のポンプヘッドが大型であるため目立っているが、裏配線のおかげで見た目はすっきりとしている。

 背面と前面を行き来するケーブルホールもしっかりと欲しいところに配置されており、ケーブルをまとめる背面の溝を通してマザーボードのメイン電源ケーブル(24ピン)など太いケーブルを収納できる。

裏配線の溝を通して配線しやすいように穴が開いている

 また、MicroATXサイズのPCケースにも関わらず、長さ300mmとかなり大型のGPUクーラーを搭載したROG Strix GeForce RTX 3050 OC Edition 8GBが問題なく収まっているのはさすがだ。最長338mmのビデオカードに対応しているというだけあり、このサイズのビデオカードでも余裕を持って配線できた。

長さ300mmのビデオカードも入る。大型のビデオカードはステーを使ったほうが安定しそうだ

 コンパクトなPCを組もうとすると、ビデオカードのサイズがネックになりがちだ。高性能なGPUは、それなりに発熱も大きいため、ビデオカードも大型になりやすい。しかし、PCケースに収まらなければ元も子もないので、スペックとサイズのバランスに悩むことになる。このPCケースはそうした悩みを解消してくれる製品と言えそうだ。

 一方で、やや気になったのは電源ユニットの配置。前方に電源ユニットを持ってくるため、フロントにファンを搭載しづらい形になっている。

 また、今回電源ユニットには「TUF-GAMING-650B」を使用したのだが、ケーブル直結型の製品だったため、フロントからのエアフローを阻害する形になってしまった。AP201で組む場合、エアフローを遮ってしまうことがないように、不要なケーブルを取り外せるフルモジュラーかセミモジュラーの電源ユニットをオススメしたい。

電源ユニットはケース前方のスロットに入れる形。エアフローなどを考えると、余計なケーブルを取り外せるフルモジュラー式の電源ユニットを使用したほうが良さそう……

 なお、AP201は最大で360mmのラジエーターに対応しているが、今回240mmのラジエーターを取り付けている。電源ユニットやフロントインターフェースとの兼ね合いを考えれば、このくらいのサイズのほうが組みやすく感じた。

240mmのラジエーターを上部に取り付けてもやや余裕があるが、冷却液のケーブルの取り回しなども考えると、これくらいのサイズのほうが組みやすい

 マザーボードがMicroATXであることを考えれば、ハイエンドのCPUをフル回転で使用するような用途で組むという人は少ないだろう。そう考えれば、240mmのラジエーターでも冷却性能は十分と言える。もちろん、よりCPUの安定性を求めるために360mmラジエーターのCPUクーラーを使うのもアリだが、配線には気を付けたほうがいいだろう。

 ちなみに、今回の構成では、3.5インチや2.5インチのHDD/SSDを増設するのはスペース的に厳しそうだった。ストレージには大容量のM.2 SSDを用意したほうが、後々苦労せずに済みそうだ。

ガラスサイドパネルほどではないが、メッシュなので内部のLEDがぼんやり透けて見える

コンパクトながら自由度が高い
自作の面白さを味わえるPCケース

 これまでASUSのPCケースは、エッジの効いた形状やミリタリー風のデザイン、LEDの搭載といった、いかにもゲーミングらしい尖った製品が多かった。

 AP201はさまざまな環境にマッチするシンプルな外観やコンパクトさ重視の設計など、同社のPCケースラインアップのバラエティーを拡充する製品と言えるだろう。一方で、大型のビデオカードや簡易水冷クーラーを搭載できるゲーミングも意識した作りには同社らしさを感じる。

 今回実際に組んでみたところ、パーツを詰め込み過ぎるとややエアフロー面に不安があるように見えるが、それを見越しての全面メッシュ仕様と考えれば納得がいく。

 また、ビデオカードのサイズ次第ではあるが、底面に吸気用のファンを配置するのもエアフローの強化という面ではアリに感じた。どのような構成にするか考えつつ自作できるのもなかなか面白いところだ。PCのサイズを抑えつつ、構成の自由度を損ないたくないという人にオススメの製品と言える。

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