メモリー容量の差で写真現像も高速化!?16GBでもまだ少ない、コスパの高いCrucialのメモリーで32GB以上に増設だ!

文●宮里圭介 編集●ジサトラハッチ

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メモリースロットを4つ備えたデスクトップPCなら増設もしやすい

 現在主流のメモリーは、DDR5とDDR4の2種類。ただし、DDR5は現在はまだインテルCPUのハイエンド向けに使われている程度で価格も高く、採用されている数も多くない。DDR4は現行のAMD CPUも含め広く使われているもので、価格もこなれており、多くのPCで採用されている。

 どのメモリーが使えるかはPCによって違ってくるので、増設する際は、自分のPCに取り付けられるメモリーの規格を必ずチェックしておこう。

 今回は、クリエイティブ系でよく使われるデスクトップPC、メモリーはDDR4というのを前提に、増設を考えてみよう。

 デスクトップPCでのメモリー増設は比較的簡単だ。メモリースロットに空きがあれば追加で挿すだけで増設は完了する。もしスロットが2つしかなく、すべて使われてしまっている場合は、既存のメモリーを引き抜き、替わりに大容量のメモリーを挿すことになる。

 もう少し具体的に、メモリーが16GB(8GB×2本)搭載されている場合を考えてみよう。

 スロットが4つある場合、すでに8GB×2本という構成になっているのであれば、8GB×2本を購入して追加すると合計32GBとなる。これに対して2つしかない場合、すでに8GB×2が挿してあるので、8GB×2本を購入してしまうと、入れ替えたところで8GB×2本のまま。合計16GBは変わらない。

 メモリーを増やすのであれば、元のメモリーよりも多い容量、例えば16GB×2本を購入して換装することになる。

メモリースロットが4つあれば増設がしやすいうえ、最大容量も多くなる。2つの場合は換装になるが、増量は可能だ

 少々難解なのは、同じDDR4メモリーでも速度が異なるものがあることだ。速度はDDR4に続く数字で表され、「DDR4-2666(PC4-21300)」や、「DDR4-3200(PC4-25600)」といった風に表記される。この数字が大きいほうが、高速なメモリーとなる。

 どのメモリーに対応するかはPCによるため、まずはマニュアルで利用可能なメモリーをチェックすること。なお、基本的に大は小を兼ねるため、悩んだ時は「DDR4-3200(PC4-25600)」を選んでおくといいだろう。

 メモリーはさらに高速なものもあり、もしPCが対応していれば、さらに性能を上げることができる。とはいえ、メモリーの高速化による性能向上は極わずか。効果のわりに価格が高くなるため、トコトン性能を追求したいという人以外は選ぶ必要はない。

 なお、多くのCPUはメモリー2本に同時アクセス可能なデュアルチャンネルに対応している。裏を返すと、1本しか接続しなかった場合、最大帯域が半分になってしまうわけだ。CPU本来の性能を発揮してもらうためにも、メモリーは2本1組で増設しておきたい。

 こういった増設に向いたメモリーに、Crucialの製品がある。容量が4~32GBと幅広く揃っているだけでなく、増設しやすい2本組があるというのがポイント。また、手頃な価格ながら品質面でも定評あり、PCにおけるド定番と呼べる存在になっているからだ。

左から、8GB×2の「CT2K8G4DFRA32A」(実売最安価格6400円前後)、16GB×2の「CT2K16G4DFRA32A」(実売最安価格1万3000円前後)、32GB×2の「CT2K32G4DFD832A」(実売最安価格2万6000円前後)。価格は記事執筆時2022年9月3日現在のもの。速度はどれもDDR4-3200だ

一般用途を想定した総合ベンチマークソフト「PCMark 10」で性能差はある?

 メモリーの増設は直接の性能向上というより、多くのソフトを動かす、もしくは、巨大なデータを扱う場合の性能低下を防ぐ、という意味合いが強い。

 そのため、増設しても一般的なベンチマークソフトではほとんど性能差がなく、これがメモリーを増設しても性能は上がらない、と勘違いされる原因のひとつとなっている。

 あまり現実的ではない重たい作業を行えば、確かに性能差は出せるだろう。しかし、そこまでしなければ違いがないのであれば、増設しなくていいのではないか、と考えるのが普通だ。

 とはいえ、本当に差は出ないのだろうか。この疑問を検証するため、一般的な用途として想定される作業を一通りテストする「PCMark 10」を使い、メモリーが16GB、32GB、64GBの3パターンで比較してみた。

グラフは上から64GB、32GB、16GB。数値は左から64GB、32GB、16GBのものとなる

「PCMark 10」は、ソフトの起動やブラウザーの動作、ビデオ会議、オフィスソフトの速度、写真や動画編集など、PCでよく行われる作業を実際のソフトを使って試し、その性能を調べてくれるベンチマークソフトだ。重たい処理こそ少ないものの、一通りの動作を試してくれるため、何が得意なのかがわかりやすいものとなっている。

 総合スコアは見ての通りで、メモリー16GBの場合がわずかに低いものの、大きな性能差があるというほどではない。

 細かくテスト項目をチェックしても、差があったとしても1~2%程度。このくらいだと、誤差の範囲といえるものだ。ただし、クリエイティブ用途となる「Digital Content Creation」の「Video Editing Score」だけは、16GBが4%以上スコアが低く、明らかに見劣りしていた。

 このことから、16GB以上あればほとんどの用途では差がないものの、大きなデータを扱うクリエイティブ用途に関しては、メモリーは32GB以上あるほうが有利になるといえそうだ。

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