第8回 and SORACOM

IoTプロジェクトを軌道に乗せるSORACOM Professional Serviceにも高い評価

プラントの巡回点検を自動化する防爆ロボット「EX ROVR」とSORACOM

大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: ソラコム

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産学連携のテクノロジーの集大成 通信にはソラコムの技術を採用

 第二世代のEX ROVRは、2本のメインクローラーと4本のサブクローラを組み合わせたキャタピラのような駆動系を駆使し、複数フロアの階段を自律的に走行する。階段の踊り場を旋回する小回りのよさも持ち合わせる。また上部にある6軸のマニュピュレーターには監視カメラとLEDライトが搭載されており、計器の画像を近くで読み取ることができる。さらに、4K全天球の可視カメラ、熱画像カメラ、自己位置の推定するLiDAR、ガス検知器、マイク・スピーカーなども装備しており、人間が現地に行ったときのようにプラントの情報を収集できる。

 今回の取材会場となった三菱重工神戸造船所の会議室で、EX ROVRデモを見せてもらった。充電ステーションから出発したEX ROVRは会議室中央にトレーで作られた段差に向かう。階段の前に着くとたたまれていたサブクローラがまるで手足のように広がり、器用に段差を上っていく。段を上がると、6軸マニュピュレーターが動き出し、先端部にあるカメラで撮影。その後、段差を降りてからも、壁を模した会議室のテーブルを器用に抜け、自ら充電ステーションに戻ってきた。

まずは充電ステーションから出発

段差の用意されている会議室の中央まで自力走行

サブクローラを展開し、階段を上る準備をし始める

段差も器用に上っていく。より急勾配の階段でも問題なし

上に来るとマニュピュレーターを伸ばし、カメラで撮影

撮影が終了したら、次は階段を降りていく

机で作られた壁も器用によけて、充電ステーションに向かう

最後は自身を充電ステーションに収納

 産業用のヘビーデューティなロボットではあるが、筆者は自宅でロボット掃除機を使っているので、動きは似ていると感じた。タミヤのロボットプラモデルが大型化したようなイメージ。ただ、時速も最高1.2km程度なので、キビキビというより、ゆっくり確実に動作するような感じ。なにより平面の移動を前提としているロボット掃除機に比べ、階段を昇降できるのが大きな特徴だ。ビデオを観てみるとわかるとおり、かなりの段数をガシガシ上がっていく姿はなかなかたくましい。

 EX ROVRは産学連携のテクノロジーの集合体でもある。複数フロアの階段昇降や狭隘な場所での方向転換を可能にする高い走破性能は、東京電力福島第一原子力発電所事故後の情報収集に活躍した千葉工業大学の先進のメカニズムを継承する。また、LiDARベースの3次元位置推定や障害物の検知、階段昇降アルゴリズム、そしてプラントの自動巡回点検などのソフトウェアは東北大学、軽作業や点検対象の撮影などを行なう6自由度防爆マニピュレータは山形大学などの知見が活かされている。

 また、防爆仕様や小型化、軽量化を実現するため、民間企業の製品やテクノロジーも惜しげなく投入されている、防爆対応の大容量リチウムイオン電池、ロボット用にカスタマイズされた防爆ガラス、危険場所での非接触給電システム、階段や段差でも力強い推進力を発揮するクローラベルトなどなど。こうしたものづくりを支えるテクノロジーの1つとして、通信機能を提供しているのがソラコムだ。

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