M1 Macとの比較でVAIOの重量性能比をアピール
会見では、アップルを意識した発言が多かった点も特筆できる。
山本社長は、「2020年秋のアップルの発表は、とても衝撃であり、大いに勇気づけられた。アップルのM1プロセッサのすばらしさは、消費電力とコンピューティングパワーの均衡を打ち破るブレイクスルーを成し遂げた点にある」とする。
林執行役員も、「アップルはイノベーシティブで先進的な取り組みをする会社であり、リスペクトしている。歴史を振り返ると、VAIOもPC業界の歴史を作ってきた自負がある。リスペクトしながら先に進んでいく関係を築き、アップルと並んだ形で、PC業界を盛り上げていきたいと考えている」とする。
過去には、アップルの米本社の新製品発表会見のなかで、VAIOを引き合いに出して説明したケースもあった。今回の会見で林執行役員は、各社のWindows PCとともに、あえて、M1チップを搭載したMacbook Proを引き合いに出しながら、単位重量あたりのバッテリーライフはMacbook Proを上回ることを示してみせた。
このようにアップルと比較してみせるところも、かつてのVAIOの勢いと自信が戻ってきたことを感じる要素のひとつだ。
山本社長は、「VAIO Zも、モバイルコンピューティングのブレイクスルーを実現している。ブレイクスルーこそがVAIOのDNAである。デザインと技術でブレイクスルーを生み出すことが、VAIOに期待されるイノベーションであると考えている。長野県安曇野で生産するVAIOが、世界の人たちにとって、革新の象徴となるように、これからもコンピューティング体験の革新に挑戦し続ける」と語る。
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