ゲームをすると「課題遂行能力」が向上? レノボ調査

文●ASCII

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トレイルメイキングテスト:TMT-A/Bともに回答時間が早いほど 能力が高い。
Aは1~25までの数字を順番にできるだけ早く線でつなぐ時間を測定。
Bは13個の数字と12個の平仮名が配列し、数字-平仮名を順番に線でつなぐ時間を測定。

 レノボ・ジャパンは1月26日、ゲームが与える影響を検証した「Game Wellness Project」のレポートを公開した。ゲームのプレーにより、学習や仕事に関係する「課題遂行能力」が向上したという。

 同社ではゲームを活用したより豊かなウェルネスライフが創出できると考え、2020年2月に九州産業大学人間科学部准教授(鹿屋体育大学客員准教授)萩原悟一氏、鹿屋体育大学体育学部教授竹下俊一氏の監修のもと、ゲームエイジ総研、産経デジタル、日本ユニシス、ヒューマンアカデミーと共同でGame WellnessProjectを設立、ゲームプレイヤーのプレー時のパフォーマンスを様々なアプローチで検証し、ポジティブ、ネガティブ両側面を可視化する取り組みを開始した。

 eスポーツタイトル(FPS系)のプレーが「課題遂行能力」に与える影響を「トレイルメイキングテスト(TMT)」と呼ばれるテストで検証。課題遂行能力は、学習場面では様々な学習に対する柔軟的思考や短期的な記憶能力に関連する能力、仕事場面では短期的な作業記憶に関連している能力。高齢者であれば歩行時における障害物をよけるために必要な注意機能・視覚探索能力などに関連する。

調査対象はヒューマンアカデミーeSports学科に在籍する学生に在籍する学生4名、講師(プロ)2名。FPS(シングルプレー)のゲームプレー前にTMTを行ない、その後40分間ゲームをプレーし、ゲーム終了後に再度TMTを実施した。

 プロのeスポーツ選手やアマチュア学生を対象とした実験では、ゲームプレー前に比べてプレー後のTMTの回答時間は短縮。また、プロのほうが課題に対する回答が速く、日頃からアマチュア学生よりも課題遂行能力が高いことがわかるほか、プロはゲームプレー後の回答速度の向上もアマチュア学生よりも大きく向上しているという。

 さらに、アマチュアの学生に日を変えて同じ検証を行なった結果でも、ゲームのプレー前とプレー後では課題遂行時間の短縮が見られ、1回目から2回目でさらに回答時間が短縮していることから、継続的かつ長期にゲームをプレーすることで、ゲームだけではなく日頃の生活の様々なシーンでの課題遂行能力が向上する可能性を示されたという。