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各地の運営パートナーが持ち味を生かして日本のDXを推進、ローンチイベントレポート

日本MSが立ち上げた「Azure Base」、その狙いと個性ある全国12拠点を紹介

2020年10月30日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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北海道から沖縄まで、コンセプトの異なる全国12拠点が思いを語る

 続いて全国各拠点をオンラインでつなぎ、それぞれの拠点を運営するパートナーからコンセプトや活動方針、期待などが語られた。SIerやCIerといった、Azureを利用したサービスを提供するパートナーだけでなく、ユーザー企業側からの運営参加もある点が興味深い。

代官山、大阪、佐賀:日本マイクロソフトの直営拠点

 前述したとおり、東京・代官山、大阪、佐賀の3拠点は、日本マイクロソフトの直営拠点である。いずれもコワーキングスペース、セミナーやアイデアソン、ハッカソンなどの会場として利用できるほか、東京と大阪にはTeams Live Studioも備える。

 またAzure Saga Baseは、佐賀市や佐賀県、佐賀大学などと2016年から運営する「Microsoft AI & Innovation Center」の中に設けられており、Saga Baseを通じて「より自治体との連携を強め、地方課題の解決に取り組む」(柴田氏)方針だという。

日本マイクロソフト直営のAzure Daikanyama Base、Azure Osaka Base、Azure Saga Base

沖縄:成長と挑戦を愉しむコラボラティブスペース

 沖縄からは、Azure Okinawa Baseを運営するLink and Visibleの豊里健一郎氏が出席した。県内第二の都市である沖縄市(コザ)にあるOkinawa Baseは、コワーキングスペースの2階に開設された。「成長と挑戦を愉しむコラボラティブスペース」をコンセプトとして、Techコミュニティと人材育成、コワーキングスペースを通じたつながり、新規事業やDXの包括的な支援、そしてリモートワークなどの多様なワークスタイルを実現する場として機能していくという。

 「沖縄ではワーケーション熱も高まっている。Okinawa BaseにはTeams Live Studioも備えており、沖縄を訪れる企業やフリーランスの方に、Teamsの活用方法や『働き方改革』、コミュニケーションの支援なども行っていきたい。ぜひ遊びに来てください」(豊里氏)

Link and Visible 代表取締役 CEOの豊里健一郎氏。Okinawa Baseはコワーキングスペース「Startup Lab Lagoon」に併設され、幅広い人とつながりが生まれることも魅力だと語る

福岡:Hack! Hack! Hack!/自治体DX=GovTechにも注力

 Azure Fukuoka Baseは、福岡市にあるクラウドインテグレーターのオルターブース本社内に開設された。運営するオルターブースの小島淳氏は、Fukuoka Baseはハッカソン会場、YouTubeやTeams Live、ポッドキャストなどの配信スタジオ、スタートアップのショールーム、Azureや技術資格に関する相談の場といった使い方に対応するが、何よりもこの場を通じて多くの人と「Hackしたい!」と意気込みを語る。

 「Azureについて相談に乗ってほしい、技術資格についての情報がほしいといった相談も多いが、僕らとしてはまず『Hackしたい』。Fukuoka Baseを中心拠点として、一緒にどんどんHackをやっていきましょう」(小島氏)

 同社では現在、LINE Fukuokaが自治体向けに展開するGovTechプログラムのAzure版に取り組んでおり、そのトレーニングや啓蒙活動も、Fukuoka Baseを通じて進めたいと語った。「LINE GovTechは福岡でかなり盛り上がっており、これを全国展開していきたい。オンライントレーニングも可能なので、GovTechに興味のある方はぜひ来ていただけたら」(小島氏)

オルターブース 代表取締役の小島淳氏。「一緒にHackする場」としてFukuoka Baseを盛り上げたいと話した

四日市、芝浦:クラウドとAIにフォーカスした「IT人材教育」の場

 Azure Expert MSPパートナーであり、Azureのマネージドサービス「cloud.config」を展開するFIXERは、三重・四日市にある「クラウドAIスクール」内にAzure Yokkaichi Baseを、また東京・芝浦の本社内にAzure Seaside Baseを開設した。

Azure Seaside Baseは東京湾が見渡せることから命名。またAzure Yokkaichi Baseはキャンピング用品を配した空間が特徴

 Azureを活用したサービス開発やcloud.configなどのビジネスと並んで、FIXERではクラウドとAIにフォーカスした「IT人材教育」に注力している。現在は“東京一極集中”であるテクノロジーの仕事を地方にも広く展開することが必要だと考え、その受け皿となるIT人材の育成事業を、ここ四日市のクラウドAIスクールで展開している。

 FiXERの中尾公一氏は、四日市市とは今年5月に「高度IT人材にかかる連携協定」を締結しており、幅広い年齢層を対象とした「四日市市クラウドアプリ開発入門講座」を来年度(2021年度)から本格運用する計画だと説明した。

 「Azure Baseともからめて、こうした(クラウドアプリ開発入門講座のような)取り組みを進めていきたい。今日ここで発表していない企画も、東京と四日市のそれぞれで進めているので、準備が出来次第発表していきたい」(中尾氏)

FIXER 執行役員の中尾公一氏と、FIXERが展開する「cloud.config」を中心としたサービスの全体像

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