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Apple Watch 6に新デザインのiPad Air! 秋のアップル発表会第1弾 第24回

アップル歴約40年の筆者による「初めてのApple Watch」体験、Series 6レビュー

2020年10月27日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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Series 6ならではの「血中酸素濃度」測定

 Apple Watch Series 6の最大の特長は、血中酸素濃度(飽和度)を計測する機能を実現したことだと言っていいだろう。これは医療用のものではなく、「あくまで一般的なフィットネスとウェルネスを目的としたもの」ということになっている。つまり、医療用として診断に使うものではなく、通常の健康状態のモニター用として個人的に参考にすべき程度のものと考えられる。

 現在は、コロナ禍の中、血中酸素濃度が話題になることも多いが、実際問題として、何らかの病気が原因で血中酸素濃度が低下するような状態になれば、Apple Watchなどを着けて自分でモニターして一喜一憂しているような場合ではないと思われる。これはあくまでも健康状態を維持していることを確認して安心するためのものと考えるべきだろう。

 この計測機能は、もちろんハードウェアによるもので、裏面を見比べてみれば、この機能のないSeries 5との違いは明らかだ。Series 6では、裏蓋のクリスタル部分の内側に4つのLEDクラスターと、4つのフォトダイオードが埋め込まれている。

Series 5(左)とSeries 6(右)の裏面の違い

 LEDは緑と赤の可視光、さらに赤外光を発し、手首の血管を照射して反射光をフォトダイオードで読み取る。あとは、読み取った光の強さ(の変化)を独自のアルゴリズムによって計算して、血中酸素濃度を割り出す。当然ながら侵襲的なものではないので、計測中は痛くも痒くもない。それでも計測中の光はかなり強いので、腕に装着したままでも、横から見ればそれと分かるほど。

 血中酸素濃度は「血中酸素ウェルネス」アプリによって、いつでも手動で計測できる。

「血中酸素ウェルネス」アプリで血中酸素濃度の測定を開始する

測定に失敗した場合の表示

 手動で測る場合には、Apple Watchを着けた方の腕をあまり動かさないようにしていても、ときどき測定に失敗することがある。

 ということは、活動中に不意に測定する場合は、うまく測れなかったり、測定値が不安定になったりすることも割と発生すると考えられる。いずれにしても、この結果は、個人の参考用にとどめておくべきものなのだろう。

 うまく測定が進めば、約15秒ほどで完了する。測定中はカウントダウンしてくれるので、あとどれくらい動かないようにがまんしていれば良いのか分かる。

測定中のカウントダウン

「血中酸素レベル」の測定結果

 このアプリでは、「血中酸素レベル」と表現しているが、飽和状態に対する百分率の表示で、血中酸素濃度や血中酸素飽和度と意味は同じもの。ほとんどの人の通常の状態は95%〜99%だと言われている。

 また、特に手動でアプリを動かさなくても、デフォルトのスケジューリングの中に血中酸素濃度の測定も含まれているので、Apple Watchをずっと装着していさえすれば、知らない間に計測して、結果を記憶しておいてくれる。そのデータは、Apple WatchとペアリングしたiPhoneの「ヘルスケア」アプリで、ブラウズ→バイタル→取り込まれた酸素のレベル、またはブラウズ→呼吸→取り込まれた酸素のレベル、のようにたどれば表示できる。その際、日、週、月、年のいずれかの単位でまとめて表示してくれるので把握しやすい。

定期的な自動測定による血中酸素濃度の測定結果

 今回の試用期間中は、なるべく常に着けていようと最初は思っていたが、特に昼間は、なんとなくうっとうしくなって、外していることもあった。その際に、狙ったようにいきなり血中酸素濃度の測定が始まり、突然Apple Watchの裏側が赤や緑に光りだしてドキッとさせらることが何度もあった。なんだか、外していたことが申し訳ないような、大げさに言えば罪の意識にさいなまれるような感じがする。Apple Watchは、直前の動きの傾向などから、自らが現在人間の腕に装着された状態か、そうでないかくらいは簡単に察知できそうなものだ。それによって、血中酸素濃度の測定を始めるべきかどうか判断して欲しい気もする。

 もしかすると、それも承知の上で、外していることへの警告として、これみよがしに測定を始めるのかもしれない、と思ってみたりもした。

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