最新PCゲームチェッカー 第49回
ヒャッハーは、まだまだ終わらない
「ボダラン3」DLC第3弾は西部劇?! 映画ファンもニヤリとする独特な世界観と遊び甲斐のあるクエストが魅力
2020年06月29日 17時00分更新
2Kが販売、Gearbox Softwareが手がけた「ボーダーランズ3」は、複数の惑星を舞台に4人の「ヴォルト・ハンター」がお宝を目指して大暴れするシューティングRPGの最新作だ。クレイジーすぎるストーリーとキャラクター、そしてぶっ飛びファンキーなシューティングバトルが特徴となっている。最大4人まで協力プレイができるのも魅力で、連携を組んで強敵に挑む面白さがある。
2020年6月26日から、新たなストーリーと新要素を追加したDLCの第3弾「荒野のヴォルト・ハンター ~血だらけの懸賞金をつかめ!」(以下、DLC第3弾)が配信中だ。このDLC第3弾を一足先にプレイできたので、本記事ではその魅力を紹介していく。ヒャッハーは、まだまだ終わらない。
和風テイストの西部劇?!
映画ファンもニヤリとする独特な世界観がたまらない
DLC第3弾の舞台は、未開の惑星「ゲヘナ」。土埃にまみれた荒地と切り立った崖、西部劇風の町並みが主な特徴だ。ある企業が生物実験の試験場として使用していたというこの惑星は、遺伝子組み換えで誕生したモンスター「デビル」と、「デビルライダー」というギャングの脅威にさらされていた。デビルライダーの悪行を食い止めるべく、保安官はこのギャングに懸賞金をかけることに。賞金ほしさにこの惑星の地に降り立ったのが、いわずもがな4人のヴォルト・ハンターである。
吹き荒れる土埃に非情な暴力、そして荒くれ者同士による抗争劇。暴力が支配する世界の住人たちによる、渋みの効いたストーリーが展開される。「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」などのマカロニ・ウエスタン映画を彷彿とさせる重厚な作風に、映画ファンの私は終始魅了されっぱなしだった。
もちろんボーダーランズらしいクレイジーな敵も多く登場するが、私自身は世界観と舞台のビジュアルがツボに入った。とくに気に入ったのは、西部劇でありながら和風テイストを融合したような町並みだ。全体的に和風の趣があり、一味違った西部劇を味わうことができる。今回は英語音声でプレイしたのだが、日本人らしい名前のキャラクターをはじめ、「トモダチ」と片言の日本語で話す場面もあった。黒澤明監督作品、とりわけ「用心棒」へのオマージュなのだろうか。
細かい部分ではあるが、町唯一の映画館のスクリーンに「東宝」風のロゴが表示されているのが実にマニアックだ。私のような映画ファンをニヤリとさせる小ネタも個人的にはたまらないポイントだった。開発チーム内に黒澤映画ファンがいるに違いない、と私は推理している。
加えて、酒場での大ゲンカや相手の足元を撃って踊らせる、決闘など、西部劇映画のお約束的な場面も見受けられた。おいおい、どこまで映画ファンを喜ばせるつもりなんだと歓喜な笑みを浮かべる私であった。西部劇あるあるの要素が、ボーダーランズならではの世界観にちゃんとフィットしているのだ。
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