NUCのおよそ4分の1ほどの超コンパクトサイズ

小っさ! 指でつまめる超小型PCの使い勝手はどう?

文●宮里圭介 編集●八尋/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

マウスコンピューターの超小型パソコン「MousePro-C100PV」

 屋内外を問わず活躍してくれるモバイルノート、画面をタッチして操作するタブレット、大型液晶搭載でデスクトップの替わりに使えるオールインワンノート、優れたグラフィック性能で快適なプレーを実現するゲーミングなど、パソコンには多くのジャンルがある。こういったジャンルのひとつで、数は少ないものの個性的な製品が集まっているのが、超小型パソコンだ。インテルのNUCや、HDMI端子へと直接挿せるスティックPCなどがその代表だろう。この超小型パソコンに新製品として、手のひらにすっぽりと収まり、指でつまめるほどコンパクトな「MousePro-C100PV」が登場した。

必要十分なスペックとインターフェースを搭載

 MousePro-C100PVの本体のサイズはおよそ幅70×奥行70×高さ34.1mm。NUCの4分の1ほどの超コンパクトサイズで、普段パソコンの操作に使うマウスよりも小さいというのにまず驚いた。そして本体を手に取ってみると、見た目と違ってズシリとくる重量感にもう一度驚く。スペック表で重量を確認してみると約164g。これは5.5型クラスのスマホと同程度なので、それほど重たくないはずなのだが、同じ超小型パソコンでもスティックPCなら60g前後だけに、そのギャップで重たく感じてしまうのだろう。

これだけコンパクトだと重量も軽いと思いがちだが、意外と重たく、手に乗せるとズシリとした重みが感じられる

 何がそんなに重いのかといえば、それだけしっかりとしたクーラーを搭載しているからにほかならない。スティックPCでは熱による性能低下が問題になる場合が多かっただけに、熱対策をしっかりしてくいるというのはうれしいポイントだ。また、本体が軽いとケーブルのテンションに負けて本体が机の上で動いてしまいがちだが、そういったことが起こりにくいというのも、重さによるメリットといえるだろう。

 インターフェースは、USB3.0端子、USB2.0端子、有線LAN端子、HDMI端子のみという必要最低限。Bluetooth V4.0+LEを搭載しているので、マウスやキーボードはBluetoothを使うとよさそうだ。無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n/acに対応。試してみたところ、11acは866.7Mbpsで接続できたので、無線LANでも速度の不満は出なさそうだ。

本体が小さいぶん、搭載されているインターフェースは限られている。とはいえ、必要最低限は確保されているのが◎

 電源のコネクターはmicroUSBだが、付属のACアダプターの電圧は12Vとなっている。5VのUSB ACで動かないものかと試してみたが、電源は入るものの電力が足りないようで起動途中で落ちてしまった。安定した動作のためにも、付属のACアダプター以外の使用はやめておきたい。

CPUは2コアのCeleron N3350Nを採用

 超小型パソコンのCPUといえばAtomが定番だが、MousePro-C100PVが採用しているのは、Celeron N3350。約1年ほど前に登場したCPUで、開発コードは「Apollo Lake」、2コア2スレッドCPUとなる。動作クロックは、ベースが1.1GHz、バースト時の最大が2.4GHzとなるものの、あまり性能は高くない。そのかわりTDPは6Wと低めなので、超小型PCにはピッタリのCPUといえるだろう。

一般的なノートPCやデスクトップと比べると性能はかなり低めだが、そのぶん消費電力やTDPが低くなっている

タスクマネージャーからもしっかりと2コアCPUとして認識されていた。性能が高くないので、ちょっとした作業でもすぐ100%まで跳ね上がってしまう

 スペックで注目したいのが、メモリーが4GB、eMMCが64GBとスティックPCに比べ2倍近く容量がアップしている点だ。Windows 10を使う場合、OSを起動するだけでも2GBだと動作が重たく感じられてくるだけに、小型パソコンとはいえ4GB搭載しているのはありがたい。CPUの性能が低めなのに、意外と快適に動作するのはメモリーが4GBあるというのが大きいのだろう。

 また、OSと必要なソフトをインストールすると、ストレージは20~30GBほど容量が必要となる。32GBではデータを保存できる領域がかなり切迫してしまうが、64GBあればとりあえずは大丈夫だ。更なる大容量が必要であれば、側面に装備されているmicroSDカードスロットを使ってデータ用のドライブを増設するとよさそうだ。

側面にmicroSDカードスロットを装備。microSDカードが飛び出さないので、入れっぱなしにしてもジャマにならないのがうれしい

 ビジネス向けということもあって、OSはWindows 10 Proを採用。ドメインの参加やアプリやソフトの集中管理、ドライブの暗号化など、企業で必要となる機能が利用できる。スティックPCではHomeの採用が多かっただけに、セキュリティー上使いにくかったというのが改善されている。

 MousePro-C100PVの特徴を駆け足で紹介してきたが、次回は性能について、もう少しじっくりと検証していこう。

試用機の主なスペック
機種名 MousePro-C100PV
CPU Celeron N3350(1.1GHz)
グラフィックス インテル HD グラフィックス 500
メモリー 4GB
ストレージ 64GB eMMC
内蔵ドライブ
ディスプレー オプション(BTOで選択可能)
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.0
インターフェース USB 3.0端子、USB 2.0端子、microUSB端子、有線LAN端子、HDMI端子、SDカードスロット
サイズ/重量 およそ幅70×奥行70×高さ34.1mm/約164g
OS Windows 10 Pro(64bit)
価格 4万2984円から