重低音の実現に加えて装着感にもこだわった
ソニー「MDR-XB650BT」
続いては、ヘッドフォンタイプ。大型のハウジングは大口径のユニットも採用できるし、バッテリーやBluetoothなどの電気回路の収納スペースも確保しやすいので、音質的には有利だ。
ソニーの「MDR-XB650BT」(実売価格 1万8000円前後)は、重低音再生を追求したXBシリーズの上位モデル。
コンパクトなサイズではあるが、幅の広いヘッドバンド部や厚みのあるイヤーパッドの採用など、シリーズの特徴的なデザインを継承している。カラーはブラック、レッド、ブルーの3色がある。
ドライバーユニットは。30mm口径の「エクストラベース振動板」を採用。耐振幅特性、耐気圧特性を確保して重低音を実現したという。
また、ハウジングに専用のダクトを設けて低域の振動板の動作を最適化した「ベース・ブースター」も採用している。
幅の広いヘッドバンド部は、バンド部とスライダー部に連続した金属を採用することで堅牢性を確保。カーブの形状も頭部の形に添うものとして接触面積を増やし、安定した装着が可能になっている。見た目の印象もすっきりとしており、ゴツい印象になっていないのも好ましい。
バッテリー寿命は最大30時間とかなりの長時間(充電時間約4時間)。右側のハウジングには電源ボタンや操作ボタンなどがあり、左側にはBluetoothのペアリングや接続/切断を行なうNFCロゴがある。
そして携帯時にはハウジング部が水平になるので、カバンなどにも収納しやすくなっている。
重低音特化型ながらも穏やかな音が楽しめる
その音を聴くと、やはり量感たっぷりの低音が特徴的だと感じる。オーケストラの低音楽器の響きも豊かに広がり、包み込まれるような音場感もある。
やや量感が過多とも感じるが、中高域はくっきりと粒立ちがよく、ボーカルや楽器の実音がもやもやと聴こえにくくなることはない。たっぷりとした低音と聴きやすさをうまくバランスした再現だ。
ダンスミュージックや電子楽器を多用した音楽に合うのはもちろんだが、アコースティック楽器によるジャズなどを聴いても、生の楽器の音色を自然な音質で聴かせるなど、むしろクラシックやジャズを聴く方が好ましい音になっている。
ゆったりとした低音は聴き心地もいいし、音場の広がりの豊かさはホールの響きの雰囲気などもよく出る。
強いて言えば、低音の勢いのよさやパワー感は控えめで、穏やかな再現になる傾向はあるが、リラックスして音楽を楽しみたいという人には好ましいだろう。
迫力重視のやんちゃな音になりがちな重低音タイプとしてはなかなかに上品な音が楽しめるモデルだ。
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