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新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(4)

2015年03月13日 07時13分更新

記事提供:通販通信

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確実な休眠顧客の掘り起こし手法とは?

【定期誘導CASE8】日付を大きく印字する
キャンペーンを実施する際、期限を区切らなかったり、案内チラシに締切日を小さく表示していることもある。H社は通常の購入より1000円割引した定期コースの案内をする際、チラシに担当者の印鑑を押し、「6/20まで」といった日づけを大きく印字してDMを送付したところ、定期誘導率が上がった。日付を大きく印字することで、締め切りを意識させることができ、締め切り間際にアウトプットの電話がかけやすくなる。

似た事例で、I社は30日間限定で、「初回半額」「定期開始で1カ月分無料」「30日間返金保証」の3つをセットにしたキャンペーンを実施。案内のDMには、返信用のはがきにあらかじめ会員の名前・住所を印字し、〇をつけるだけではがきを出せるようにした。このケースでは電話勧誘もせず、申込書のDMだけで定期誘導率が40%に上ったという。

【CRM強化CASE9】手書きの手紙で掘り起し
手書きの礼状は古典的で手間もかかる手法だが、世代によっては有効性が高い。食品メーカーのJ社は、お中元シーズンのカタログを発送する前に、過去の優良顧客を抽出し、社員全員で書いた手書きの手紙を400枚送付した。DMで休眠顧客が復活する比率はよくて5%程度だが、J社の手書き案内では約60人が購入し、復活率15%を記録した。人件費を除けば、コストは切手代の2万円(50円×400枚)。2万円の広告では、60人が商品を購入することはまずない。手書きの手紙が、休眠顧客の掘り起しにつながった。

 また、健康食品・化粧品メーカーのK社は、毎年2回、手書きの手紙を送付している。休眠顧客の10%が、この手紙で復活するという。

(つづく)
(取材・文:山本 剛資)

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■プロフィール
(株)通販総研 代表取締役 辻口勝也
健康食品、食品、化粧品、飲食業界を中心とした通信販売企業のコンサルティングを手掛ける。販売データ分析から把握できる数字による指標や、現場社員からの意見・アイデアを重視し、実地に沿ったコンサルティングに定評がある。

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【連載コラム】
新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(1)
新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(2)
新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(3)

【過去連載コラム】
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>①通販事業の成否を握る経営者の本気度
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>②通販ビジネスの構造を理解する
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>③通販ビジネスを始めるにあたって(1)
<通販ビジネス参入時に失敗しないためのポイント>④通販ビジネスを始めるにあたって(2)
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