音質を追求した「ハイレゾウォークマン」のフラッグシップとして、2013年12月に登場した「NW-ZX1」。その後継機である「NW-ZX2」が2月14日に発売された。実売価格は13万円前後という高級プレーヤーだ。
アルミ削り出しのシャシーに、高いS/N特性で知られるコンデンサを搭載するがためにボディー下部を隆起させるといった音質最優先の設計方針を引き継ぐだけでなく、シャシーの変更や高音質パーツの見直し、バッテリーの強化、新しいBluetoothコーデックの導入など、さらなる音質向上を目指し“突き進んだ”成果がこの後継機種には詰まっている。
本特集ではこの最新のハイレゾフラッグシップウォークマンを徹底的に解剖し、高音質へのこだわりについて紹介していこうと思う。
ZX1からZX2の変化ポイントをチェック!
まず、実際にNW-ZX2を試してみた。結論から言うと、ZX1とZX2はかなり違う。ソニーが誇るデジタルアンプ「S-Master HX」を使うなど、根底にある設計思想は同一だが、ストレージの容量と拡張性が違うし、採用されたパーツが違う。シャシーも設計段階から一新された。手にしたときの重みに至っては、まったくの別物だ。
その音も、全体の傾向としては大きく変わらないものの、描き出す音像がより鮮明さを増し、音場に奥行きが加わる。アップサンプリング機能「DSEE HX」の効果が一層明瞭となり、キャラクターがより明確になった印象だ。
音質インプレッションへ進む前に、ZX2でなにが変わったか、ポイントを4つ挙げて紹介したい。これを踏まえたうえで音質インプレッションおよび後日掲載予定の開発者インタビューをお読みいただければ、ZX2というオーディオプレーヤーの全貌がわかるはずだ。
変化ポイントその1:シャシーに銅版をプラス!
前モデルZX1との違いを実感させる要素のひとつが、シャシーの刷新だ。重量は約100gアップの235g、手にすればその差は歴然。
ZX1も分厚いアルミの塊から削り出した1枚成形であり、高い剛性を実現していたが、ZX2はそこに金メッキを施した銅板をプラス。アルミよりもさらに電気抵抗率が低い素材を奢ることによりグラウンドが安定、音質向上を図っている。
(次ページに続く、「高音質パーツやバッテリーも変更」)
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