基板(電子回路)柄のネクタイ「サーキットボード・ギークタイ」3704円 画像:Etsy
イスラエルの職人が手作りしている純金の結婚指輪、7万8000円。イタリア製のブッテーロ革を使ったiPhoneカバー、3万円。Amazonにない1点物の製品を売り、人気を集めているのがオンラインマーケットプレイスのエッツィ(Etsy)だ。近く上場し、3億ドル(約349億円)の調達を目指しているとブルームバーグが報じている。
会員数は4300万人超、取扱商品は26万点以上。2013年度の総取扱高は1億3500万ドル(約157億円)に及ぶ。Etsyの設立は2005年。手編みのニット、陶製の深鉢といった工芸品から電子回路模様のネクタイ(1600件以上の好評なレビューが集まっている)、自作モジュラーシンセのようにギークなアイテムまで商品は幅広い。
Etsyは商品1つあたり20セント(約23円)の出品手数料と、3.5%の販売手数料を収入源としている。「フリル」「メルカリ」といった日本のフリーマーケットアプリにも近いビジネスモデルだ。
調査会社eMarketerによれば、米国のオンラインショッピング市場は2014年から2018年までに3057億ドルから4939億ドルへ伸びる成長トレンドにあると見られている。大手ショッピングモールに載せられるほどの在庫を持たないごく小規模のメーカーが同じ比率でEtsyに集まれば、確実な伸びが見込める。
一方、競合にあたるFab.comは一時期10億ドルもの評価額を得たが、昨年末にわずか1500万ドルでの売却が検討されていると報じられていた。Fab.comは期間限定割引(フラッシュセール)サイトを売上の柱としていたためややモデルが異なるが、余裕の上場と行けるかどうか。ちなみにエッツィでは日本語版も準備中だ。