自動車に携帯電話会社の技術が組み込まれた 画像:BlackBerry
イタリアンラグジュアリーの真髄を自称する高級スポーツカーメーカー、マセラティ。今年の米家電見本市2015 International CESで展示しているのはセダンタイプの「Quattroporte GTS」をベースにしたコンセプトカーだ。カナダの通信機器メーカー・ブラックベリー擁するQNXのOSやプラットホームを詰めこんでいる。
ブラックベリーではQNXのシステムをドイツのメルセデス・ベンツ、アウディなど世界40社以上の自動車メーカーに導入している。昨年2月には、米自動車会社フォードが自動車に積むOSをマイクロソフトのウィンドウズからQNXに変更すると発表するという同社幹部のコメントも報じられていた。
メルセデス・ベンツは同じCESの会場で自動運転車のコンセプトカー「F015 ラグジュアリー・イン・モーション」を発表。センサーで道路の状況を監視し、当然ながら通信回線につながる。運転席と後部座席を向かい合わせた形で会議やおしゃべりもできる(というか「運転席」の概念がほぼなくなった)。
アウディもやはり自動運転ができるコンセプトカー「Audi prologue Show Car」を披露した。パソコン向けのグラフィックチップ(GPU)を作ってきたNVIDIAの半導体「Tegra X1」を搭載する世界初の一台だ。いまや自動車メーカーの後ろは半導体メーカーやソフト開発会社、通信企業などIT企業がひしめいている。
CESは海の向こうのこととは言え、自動車立国の日本もけっして他人事ではない。グーグルとトヨタが自動運転技術をめぐって正面衝突する日は、もうすぐそこまで近づいている。