企業家が共有する赤信号とは。
他企業との提携は双方にとって喜ばしいことだが、悲惨な結果となることもある。企業間コラボレーションの持つ売上増という誘惑に駆られる前に、そのことを適切に評価することが必要である。
さらに、われわれは8人のYoung Entrepreneur Council(YEC)メンバーに、コラボレーションに賛同する前に問うべき質問と、議論の初期段階で見受けられる赤信号について訊いてみた。彼らの回答は以下のとおりだ。
なぜコラボレーションしようとするのかを理解する
この質問への答えは「売上を増やすため」とシンプルであったりする。しかし時には内紛のためとか、競争したいからだとか、単に何かしてみたいから、ということもある。
一緒に仕事をしたいと力説するような人には気をつけた方がいい。通常、いくつかの点において、始めは良かったが途中でうまくいかなくなり、貴重な時間を奪われただけ、ということになる。
実行家と組む
言うは易し、行うは難し。
ある企業と話して、このパートナーシップがもたらす成功ばかりを強調し、実際にどのようなものになるかを議論しないようであれば、さっさと逃げよう。彼らは口達者だが、実行に移すことはない。
プロジェクトの規模に注目する
私は挑戦が好きだが、最初にニーズを確認することが堅実なやり方だ。双方が40時間を必要とするようなコラボレーションを提案されたならば、まずは5時間で済むようなアイディアを準備するべきだ。
それが成功したら、より大きなプロジェクトを計画しよう。そうしなければ、ROI(投資利益)のないプロジェクトに時間を奪われかねない。野心がビジネスを台無しにすることもある。だから、「必勝アイディア」を毎分毎秒思いつくような、勘違い企業家には気をつけなければならない。
一極集中しない
コラボレーションが双方の企業にとって有益であることを確かめるのは重要だ。一方が常により多くを得ることにはなるだろうが、相手の市場での知名度や顧客数が、自社のものを著しく下回るような企業連携は赤信号だ。
もう一点注意すべきことがある。あるブランドとコラボレーションするとき、消費者とそのブランドとが強固に結びついているために、自社の求める価値を決して得られない、ということが往々にしてある、ということだ。
―ジェス・レビン(Carats & Cake)
相手企業が自社を最優先パートナーと捉えていること
潜在的なパートナーを選ぶ段階で、最も見逃しやすい問題のひとつは優先順位である。自社が相手方企業を調べるのと同じくらい、相手もまたパートナーとして自社を調べていることを頭に入れておくことだ。
もしもこの提携が経営陣にとっての最優先事項ならば、それは良い兆候だ。彼らはパートナーシップがうまく軌道に乗るまで労力を惜しまないだろう。それとは別に、企業の健全さや評判、誠実さなども検討するべきだろう。
コア・バリューを調べる
バカげているように思えるかも知れないが、明確なコア・バリューを持ってなかったり、相手方がコア・バリューを軽視するのであれば、それ以上進まない方がいい。デートでどこへ行くか決めていないような相手、あるいはあなたが決めた行き先をバカにしたりケチをつけるような相手とはデートしたくないだろう。
今までに経験したクライアントとの最高のミーティングでは、われわれが「では、私たちの10個のコア・バリューについて話しましょう」と言うと、「私たちにも10個のコア・バリューがあります。そのうち4個は共通するものです」とクライアントが返してくれた。価値を共有することは良い関係が築ける確かなサインだ。
―ベック・バンバーガー(BAM Communications)
時間のROIを確保する
コラボレーションはしばしば楽しげに聞こえるが、莫大な時間を使って、結局見返りがほとんどないことがある。私はかつて、大きな利益をもたらすと約束した企業と特別紹介プログラムを立ち上げたのだが、まったく売上にはならなかった。パートナーシップを立ち上げるのに大きな時間を浪費してしまったのだ。
コラボレーションは楽しいものだし、ビジネスに莫大な勝利をもたらす可能性もある。しかし、数値計画が自信を持って達成できることを確かめてから始めてほしい。過去のパートナーシップの結果を公開することに前向きなパートナーを探そう。
経験のあるパートナーか
相手は経験があり、言ったことを実現できるだろうか?リピート購入率が低かったり、オンラインでのフィードバックが悪かったり、顧客に電話しても取ってもらえなかったりするのは赤信号だ。
また、潜在的なパートナーの企業文化が合わなければ、決してうまくはいかないだろう。違いが大きすぎては、自社のやり方と共存することはできないだろう。
トップ画像提供:Shutterstock
編集者注:この記事はYECの設立者でゲストライターのScott Gerberによって執筆されました。
Scott Gerber
[原文]
※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら