「P2715Q」は、デルが送り出した27型4KのIPS液晶ディスプレーだ。直販価格が6万9980円と、このクラスの製品としては破格の価格で、手の届く4Kディスプレーとして話題になっている。どの実力がどのようなものなのか、試用してみた。
今回は、4K映像出力用のマシンとしてデルのワークステーション「Precision T3610」を利用している。グラフィックス機能としてAMD FirePro W7000を搭載したマシンだ。
一般的な事務用デスクにも置けるサイズのノングレアタイプ
P2715Qはアスペクト比16:9の27型ディスプレーで、解像度は3840×2160ドットの4K対応だ。表面加工は光沢のないノングレアタイプで、反射もなく見やすい。ディスプレーベゼルとパネル背面はマットブラック。スタンドと本体のサイドパーツがマットシルバーと全体的に落ち着いたデザインにであり、汚れなども目立ちづらいのが好印象だ。
見た目はごくシンプルで、写真で見ただけだとボリューム感はないのだが、実際デスクに置けばやはり大きい。本体サイズは、スタンドを付けた場合で幅640.74mmで奥行きは203.86mmある。高さも423.86~538.86mmで、重さは10.66kg。一般的な事務用デスクでもきちんと置くことはできるが、左右の余裕はあまりなくなってしまう。
ちなみに、スタンドなしの場合で幅640.74×奥行き51.50×高さ379.66mm、重量は5.03kg。VESAマウント対応だから、手持ちのアーム等と組み合わせて利用することも可能だ。
縦表示も可能で角度調整はスムーズ
スタンドは高さ調整機能と、上下左右の角度調整機能を備えているため、無理のない姿勢で利用できる。最も低く設置した場合でもディスプレーの下端と机との間には少し隙間があり、薄型のキーボードならスタンドに乗り上げるようにして収納してしまうことが可能だ。
また、ディスプレー部を回転させて縦表示にすることもできる。作業用にするには不便かもしれないが、情報表示用のサブディスプレーとして利用しようと考えた場合、高解像度なおかげで表示できる情報量も多く、縦置きにすればデスク上でもう1台と並べて使うことも可能になるからおもしろいかもしれない。
必要なものはしっかり揃ったインターフェース
インターフェースは背面に集中している。下向きにケーブルを出す形になる場所に電源コネクタ、HDMI端子、DisplayPort入力端子、miniDisplayPort端子、DisplayPort出力端子、オーディオ端子、USB3.0アップストリーム端子、USB3.0端子×3と並び、背面から見える場所にUSB3.0端子×1がある。一般的な用途で考えた時、不足は特に感じられないだろう。
本体の設定メニューはシンプルなもので、複雑な設定を求めている人にはものたりないかもしれない。しかしショートカットキーに機能を割り当てて、普段よく利用する機能の切替えを手軽に行えるようにすることはできるから、ゲームにも作業にも映像鑑賞にも使いたい、という場合には活用して欲しい。
精細な描画が6万円台で楽しめる
実際の表示については、ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼアのベンチマークソフトを4K解像度で実行したり、「World of Tanks」をプレイしてみるなどした。さすがに4K出力でのゲームとなると、出力に利用したマシンの方でスムーズに再生できない部分もあったが、見映えはよい。
もちろん、利用時には拡大表示設定などを行わなければアイコンやOSのメニュー表示が小さくなりすぎて使いづらいし、マウスの移動距離も長くなる。しかし利用に不便がない程度に拡大表示を行えば、非常に美しく見やすい表示が楽しめるはずだ。
「P2715Q」の主な仕様 | |
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ディスプレイ | 27型(3840×2160)、IPSノングレア |
アスペクト比 | 16:9 |
コントラスト比 | 1000:1(標準)、200万:1(最大) |
輝度 | 350 cd/m2 (標準) |
応答時間 | 9ミリ秒(GTG)通常モード、6ミリ秒(GTG)FASTモード |
視野角 | 178度(垂直)/178度(水平) |
インターフェース | HDMI端子、DisplayPort端子、miniDisplayPort端子、DisplayPort出力端子、 オーディオ端子、USB3.0アップストリーム端子×1、USB3.0ダウンストリーム端子×4 |
本体サイズ/重量 | 幅640.74×奥行き203.86×高さ423.86-538.86mm/10.66kg(スタンド含) |