Googleウェブ検索が、検索利用者の位置情報に基づいて、オーガニック検索の順位を変更していることが確認されている。先週時点で社内一部のブラウザで「アルバイト」「転職」「仕事」等のキーワードで確認されていたようだが、本日時点で Yahoo!検索結果でも Twitter 上で @minisu777(すーさん@赤魔道師 tsuとは無関係)さんや @self0828(伊藤公助)さんなどが報告している。
地域依存性の高い検索クエリでランキングが変化
後述するが、2012年2月に実施されたGoogle Venice Update による影響が日本でも目視で確認できるレベルに適用されたと考えられる。
東京都千代田区と静岡県西部の2つの端末のブラウザ(Chrome シークレットウインドウ)で確認した。例えば、「バイト」と検索した時、都内からは2件目が千代田区内のアルバイト・バイト求人情報へのリンク(サイトはtownwork.net)が表示されるが、静岡県内からは2件目が浜松市内のアルバイト・バイト求人情報(サイトはbaito.mynavi.jp)が表示される。キーワード「脱毛サロン」でも同様に、自然検索結果7~8件目付近で、それぞれ都内・静岡市内のサロン店が表示された。
「脱毛サロン」でも同様のランキング変化を確認したが、「宅配弁当」では少なくとも静岡県内端末からの結果は変化しなかったが、単に(Googleが判定した私の検索場所エリア付近で)関連する宅配弁当関連の事業者がいなかった可能性が高い。
クッキーの有無など関係ないようで、まっさらな状態のブラウザで検索しても、その時の検索場所によってウェブ検索の一部が変化することを確認している。
ベニスアップデート(Venice Update)が日本語にも適用された?
Google は2012年2月に、Venice Update (ベニスアップデート)を発表しており、ローカル系検索に対する自然検索結果のアルゴリズム変更を実施している。ベニスアップデートは検索クエリに込められたエリア・地域に関連する意図を汲み取り、そのエリアに関連する情報をウェブ検索結果に優先表示するようにするものだ。
検索者の位置情報に基づいて「自然検索結果内に、ローカル結果”枠”が差し込まれる」ことはユニバーサル検索の仕様の1つとして広く知られているが、ベニスアップデートは地域特性の強いクエリのシグナルを検出して、それを純粋なウェブ検索結果のランキングにも適用することで、リンクの一部を検索者の現在地と関連性の高い店舗や施設に置き換えるような役割を果たしている。
地域判定精度に課題?適切なエリア内の結果が出ない報告も
ブラウザ端末のIPアドレスに基づいて検索者の現在位置を判定しているようだが、現時点では精度が高くないようだ。例えば私がテストした静岡県内のブラウザは県内中部に位置しているものの結果は同西部になっている。これは契約するインターネット接続事業者から配布されるIPアドレスがエリアごとに細分化できる粒度で利用者に割り当てされていないことも影響していると考えられる。
@minisu777 ですよねー。 これのせいで、ヤフーとグーグルの結果が、かなり違って見えるので厄介です。。
— 伊藤公助 (@self0828) 2014, 12月 22
脱毛とかだと変わらないけど、脱毛サロンで検索するとその地域のサロンサイトが上がったり、ホットペッパーのその地域のサイトが上がってる。てかなんで京都にいることになってるんだ…
— すーさん@赤魔道師 tsuとは無関係 (@minisu777) 2014, 12月 22
Improvements to ranking for local search results. [launch codename “Venice”] This improvement improves the triggering of Local Universal results by relying more on the ranking of our main search results as a signal. [Search quality highlights: 40 changes for February]
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社内で報告が上がっていたのが先週。本日は Yahoo! で確認されたとの報告。実際のところ、いつから Venice Update 相当のものがGoogle日本語検索に適用されていたのか良くわかりません。内容的には Venice Update で、米国では同時期に(ローカル系クエリ検索時に)ウェブ検索結果の多くが検索者の現在地周辺の情報に入れ替わっていたとの報告が相次いでいました。
(数年前に、そんな話を米国のコンサルタントから聞いた記憶がかすかにありましたが、すっかり忘れてました!)