ダウンロードは必要ない
ツイッターの新しい開発パッケージに、アプリやサービスに電話番号だけでサインアップが出来るログインオプションを提供できるツールが含まれる。Eメールアカウントは必要ない。
「Digits」はFabricの無料オプションとして提供される。Fabricとは水曜にサンフランシスコで行われた、ツイッターのデベロッパー・カンファレンス「Flight」で紹介された3部構成の開発キットだ。Digitsを使うことで、メールやツイッター・アカウントよりも恐らくもっと個人的な情報を使ってアプリにログインすることが出来るようになる。電話番号だ。
ユーザーは電話番号を入力し、確認コードを受け取る。216ヶ国で導入されるおかげで、そのコードは世界中のほぼどこでも利用することが出来る。
Digitsによって、アプリをダウンロードせずに、アプリやサービスを利用する事も出来る。マクドナルドはツイッターのFabricに早期に対応した企業だ。Digitsにより、顧客にマクドナルドのアプリの利点をダウンロードさせずに提供している。マクドナルドアプリを入れている知り合いからの特典をテキストメッセージで受け取った場合、ブラウザーに電話番号を入力することで、その特典を利用することが出来る。
Digitsはまだ出て間もないため、ツイッターのプロダクトのようには見えない。むしろそのサインイン・ボタンなどはどこかのメーカーのアプリのようだ。
なぜ電話番号なのか
SMSプラットフォームとして出発したツイッターにとって、これはロジカルな選択といえる。しかしなぜメールやSNSのログインに電話番号を使う事があるのだろうか?
ツイッターにおけるFabricのディレクター、ジェフ・セイバートはキーノートスピーチで、世界の多くでは、いまだメールを使っていないところもあるが、電話は誰でも使っていると語った。様々なアプリのログインを管理するのは時間の無駄でもあるし、人々はパーソナルなアカウントをつかってアプリにログインするのを嫌がるかも知れない。パスワードを覚えておくのも面倒だ。電話番号をつかうのであれば、パスワードは必要ない。
しかしこの事は興味深いリスクをもたらす。電話番号が出回るということは、その別種の情報漏洩を招くということだ。
Snapchatは狡猾なハッカーがユーザーの電話番号を入手した場合、まず何が起こるかを理解している。今年の1月、Snapchatは匿名のハッカーによる攻撃を受け、460万件のアカウントおよび、下二桁が伏せられた電話番号がネットに晒された。
ユーザーは個人情報の漏洩につながらないような、偽のユーザー名やメールアドレスを作ることが出来る。しかし電話番号の場合そうはいかない。そして電話番号は職場や家の住所等、他の個人的な情報にもつながるものだ。
更に確かなアイデンティティーとしての電話番号
ツイッターが指摘するように、ソーシャルにおけるアイデンティティーは崩壊している。かつてグーグルとフェイスブックが二大プラットフォームであったが、WhatsApp、Snapchat、そしてSecretなどが携帯で大きな勢力となりつつある。
これらのほとんどは、第三者のサービスへのログインを提供していないが、全てがIDの確認のために電話番号を利用している。
ユーザーは次々とソーシャルアプリを乗り換えるかも知れないが、電話番号はデバイスがアップグレードされようが、アプリの勢いがどうなろうが個人についてまわるものだ。
Digitsは他のアプリやサービスにとっても、ユーザーのサイトで宣伝のためのスパムが表示されることなく、電話番号によるログインを容易にしてくれる。そしてもしアプリのダウンロードに必要なIDが電話番号だけなのだとすれば、それは世界中のほとんどすべての人に対して、アプリの提供が可能だという事になる。
ひょっとすると全ての人が必要とするソーシャルのIDは、電話番号だけなのかもしれない。
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トップ画像:Anthony Quintano
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Selena Larson
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら