郵便、決済、金融……モバイルプラットホームがあらゆる窓口機能を飲みこんでいく 写真:Flickr by Jason Howie
ツイッターとフランス金融大手BPCEグループ共同の個人間送金サービスが、10月中に開始する。同グループ子会社のモバイルウォレット「エスマネー」(S-money)と連携したもの。ロイターによれば、口座番号を知らなくてもエスマネー利用者同士がツイートするだけで送金が完了する仕組み。
送金機能では競合フェイスブックが先行する。今年8月には楽天銀行がアプリを使ったフェイスブック送金サービスを発表している。ツイッターは9月、ツイートで商品を購入する決済システム「ツイッター・バイ」ボタンを試験導入したが、それもやはりフェイスブックの後追いだった。
金銭をやりとりする際にとりわけ懸念されるのは詐欺や犯罪行為だ。先日、モバイルプラットホームのLINEも今冬から決済サービス「LINE Pay」を開始すると発表しているが、プラットホーム本体とは別の認証機構を設けるなどセキュリティーの担保に力を入れている。
近年、米シリコンバレーでは金融ベンチャーへの投資が伸びている。
巨大なメガバンクは動きが遅く、アプリやサービスの使い勝手などの面でベンチャーが入る隙は十分に残されていると関係者は話していた。口座振替や振込といった銀行の窓口機能がモバイルプラットホームに飲み込まれる日も遠くなさそうだが、同時に十分なセキュリティーの強化も望まれる。