アドビシステムズは10月10日、Adobe Creative Cloudと連携するデジタルペンと定規「Adobe Ink&Slide」のユーザー体験イベント開催にさきがけ、報道向けに説明会を開催した。
Adobe InkはiPad Mini、iPad Mini Retinaディスプレイモデル以降対応のiPad用デジタルペン。筆圧感知機能を備え、Creative Cloud経由で呼び出した写真や画像に書き込みできる。ボディーはアルミを採用し、軽量で快適な握りやすさを考慮した形状にしたという。側面のボタンでメニューの呼び出しが可能だ。
Adobe Slideはデジタル定規で、こちらもiPad Mini、iPad Mini Retinaディスプレイモデル以降対応。iPad上に置いて手で押さえるとペンや指で直線や円が描ける。
両製品とも同社初のハードウェアであり、2014年6月に米国で発表・出荷を開始している。10月7日には日本市場での発売も決まり、10月17日に販売を開始する。
今回のイベントでは、米Adobeが10月初めに開催したカンファレンス「Adobe MAX 2014」で発表したモバイルアプリやキャプチャーアプリについて説明があった。
iPadでイラレが使える!
まずはデスクトップ向けアプリのアップデートについて。PhotoshopやIllustratorなどのアプリでアップデートがアナウンスされた。Creative Cloudになってから月単位でアップデート、機能の追加をしているという。
新たに登場したのはiOS向けアプリだ。「Adobe Illustrator Line」「Adobe Illustrator Draw」「Adobe Photoshop Sketch」がラインアップに追加された。
Illustrator Lineは正確な直線が書けるほか、パース図や幾何学図形の製図が可能。円や三角形などの図形も正確に書け、等間隔に離れているかがわかる機能も付いている。Illustrator DrawはiPad上にフリーな絵が描けるアプリ。Photoshop Sketchは写真のトレースやコラージュ作成ができる。
これらのアプリはCreative Cloud経由でIllustratorやPhotoshopに転送でき、PC上での作業が可能となる。iPhoneやiPadなど、普段持ち歩くものとAdobeのツールとつなげて、インスピレーションを形にできないかという発想から作ったという。
また、キャプチャーアプリもリリースされた。「Adobe Brush CC」はPhotoshopなどで使えるブラシをiOS機器で利用できるアプリだ。「Adobe Shape CC」はiOS機器内の写真をベクターデータに変換してくれる。データはCreative Cloudと連携し、Illustrator Lineなどに転送できる 。
これらのアプリはCreative Cloud(月980円のフォトグラフィプラン含め)を利用しているユーザーに無料で提供している。
なお、10月10日から代官山T-SITE GARDEN GALLERYにて上記のアプリとAdobe Ink、Adobe Slideの体験イベントを開催している。期間は12日の18時まで。