富士フイルムは9月18日、ディーエイチシーが製造販売しているスキンケア化粧品「アスタキサンチンシリーズ」の一部が、富士フイルムの特許を侵害しているとして、東京地方裁判所でDHCの同製品の製造、販売などを差止める仮処分命令の申立を行った。
富士フイルムがDHC社による侵害を主張している特許は、「アスタキサンチンを含む分散組成物およびスキンケア用化粧料に関する特許」。「DHC アスタキサンチン ジェル」、「DHC アスタキサンチン ローション」の2製品で、有効成分のアスタキサンチンを効果が安定したまま微小化する富士フイルムの特許に抵触しているとしている。
抗酸化成分アスタキサンチンは、自然界に広く分布している天然由来の成分で、カロテノイドの一種。強い抗酸化力を持つが、不安定で扱いづらく、従来の技術では安定的に化粧品に配合することが難しいという課題がある。富士フイルムは、同課題の研究開発に取り組み、同成分の化粧品への安定配合に成功している。