スマホのあとを追うようにじわりと普及し始めているのが「スマート○○」と呼ばれるスマート機器。スマホやパソコンから遠隔操作ができるなど、オンラインでつながる「IoT(モノのインターネット=Internet of Things)」とも呼ばれる。
スマホの操作を音声で行えるように、音声認識技術を搭載するスマート機器も徐々に増えてきた。スマート家電の分野でたとえば、パナソニックの液晶テレビ「VIERA(ビエラ)」は、「音声タッチパッドリモコン」を使い、テレビ操作やインターネット検索などを声で操作することが可能。番組表、番組内容、入力切換、録画予約設定の画面を操作したり、チャンネル選局したときなどにそれを音声で読み上げる機能も備える。
スマホを車に接続し、スマホの音声認識機能を連動させる動きも活発化している。アップルが各国の自動車メーカーと共同で今春から導入し始めた「CarPlay(カープレイ)」は、iPhoneを車に接続し、iPhoneに搭載されている音声認識プラットフォームのSiri(シリ)と車を連動できる。
これにより、ハンドルから手を放すことなくハンドル上のボイスコントロールボタンを押してSiriを起動し、車に話しかけることで電話をかけたり、マップを使ったり、音楽を聴いたり、メッセージにアクセスしたりが可能だ。
トヨタ自動車もテレマティクスサービス「T-Connect(ティーコネクト)」を導入。ドライバー向け音声対話型「エージェント」システムは、ドライバーからの音声操作に対応するロボットオペレーターサービスだ。たとえば、「○○の国道沿いのそば屋に行きたい」や、それに続いて「今やっている、駐車場のあるところを探して」などといった問いかけに対応する。
スマートからさらに発展したロボットでも音声技術は重要な役割を果たす。ソフトバンクが6月に発表し、来年2月からの発売を予定している人型ロボット「Pepper(ペッパー)」は、世界初をうたう感情認識パーソナルロボット。周囲の状況を把握して自律的に判断し行動する、独自のアルゴリズムを搭載。また、最新の音声認識技術や、人の表情と声のトーンを分析して人の感情を推定する感情認識機能など、人とのコミュニケーションに特化した機能を備える。人の感情を理解し、人との会話が得意なロボットなのだ。
ヒトとモノが言葉での会話でコミュニケーションを図る――そんな時代が訪れようとしている。