Toys“R”Us in iPad 写真:編集部
日本トイザらスは24日、オンラインストアを大幅にリニューアルしたと発表した。実店舗とポイントを共通化する、ママ向けの育児Q&Aコーナーを設けるなど、オンラインストアと実店舗を結び合わせた「オムニチャネル」目線のサービス向上がねらい。同社の石橋善一郎副社長は「オムニチャネルは小売業を通じてみれば似たようなところがあるが、あくまでもトイザらスのお客さまに向けたもの」と自信を見せる。
オンラインストアを実店舗に近づける
同社では今年4月から「トイザらス」「ベビーザらス」オンラインストアのリニューアルを進めてきた。
トップページの情報を減らす、ページの動作を軽くするといったデザイン面のリニューアルを経たのち、実際の店舗に入っていた「レゴショップ」や「ディズニーベビー」といったショップ・イン・ショップをオンラインで再現するなど、オムニチャネル目線の新機能を追加している。
同社 eコマース本部の飯田健作本部長は「今年4月と7月を比べると、訪問数は79%増、PVは74%増、購入率(コンバージョンレート)は0.6%増、購入件数は218%増。数字としても評価いただいている」といい、リニューアルに手ごたえを感じたと話す。
とくに乳幼児向けのベビーザらスは、もともと出産後間もない母親がオンラインストアで購入したいという要望が多かったストアだったという。
「サイバーエージェントのクラウドソーシングサービス『ママ&クラウド』で、妊娠中もしくは18ヶ月以下の子供がいる200人の母親を調査したところ、全体の85%がオンラインショップの購入経験があった。品揃えや、出産・育児関連の情報を、リアル店舗と同じレベルに合わせるようにした」(飯田本部長)
25日から送料無料の「新装開店セール」を実施 画像:ベビーザらス オンラインストア
店由来のサービスでアマゾンに対抗したい
倉庫・売場・顧客をつなぐサプライチェーンも最適化した。
23日からは「ストア・オーダー・システム」機能をスタート。実店舗に在庫がなかったときは、倉庫・近隣店舗・メーカー倉庫のいずれかから、客の指定した場所に発送する。「ベビーベッドは欲しいと思っていたものがなかったのでオンラインに案内し、ふとんは店で買った、という例があった」(飯田本部長)
「『トイザらス・ベビーザらスでお買い物されるお客さまに、いつでも・どこでも・どのような場面でも、楽しく・便利で・シームレスなショッピング体験を提供する』がトイザらスのミッション」(石橋副社長)
オンラインの購入が増えた相乗効果で、実店舗の購入は「増えている」(飯田本部長)。今後はオンラインでどんなページを見たかという情報を、実店舗でどんな接客をするかに反映していきたいという。
しかし、おもちゃのオンライン販売ではウェブ専業のアマゾンが先行している。トイザらス・オンラインストアの商品点数は「小社の小型店舗程度の品ぞろえ」(飯田本部長)といい、アマゾンに及ばない。アマゾンはコンビニなど受け取り場所も増え、レビュー・レコメンド機能などでは先を行っている。
飯田本部長は「向くべきは競合よりもお客さま」と述べ、独自のサービス向上に注力したいと話した。
日本トイザらス 石橋善一郎 副社長 写真:編集部