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ロボット技術やICTの活用により目指すスマート農業

2014年06月16日 06時03分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 農林水産省では、ロボット技術やICT(情報通信技術)を活用することで、超省力・高品質生産を可能とする新たな農業「スマート農業」を目指している。そのために設置した「スマート農業の実現に向けた研究会」は、活動の中間とりまとめを3月28日に公表。そこには5つの方向性が示されている。

 まず1つは「超省力・大規模生産を実現」。GPS自動走行システムなどを導入することで、トラクターなどの農業機械を自動走行できるようにし、生産規模の拡大を図ろうというわけだ。2つ目は「作物の能力を最大限に発揮」。センシング技術や過去のデータを活用し、きめ細やかな栽培(精密農業)によって従来にない多収・高品質生産を目指す。

 3つ目は「きつい作業、危険な作業から解放」。収穫物の積み下ろし等重労働をアシストスーツにより軽労化、負担の大きな畦畔等の除草作業を除草ロボットで自動化しようという。4つ目は「誰もが取り組みやすい農業を実現」。農機の運転アシスト装置、栽培ノウハウのデータ化等により、経験の少ない若者や女性でも農業にトライできる環境を実現する。

 そして5つ目は「消費者・実需者に安心と信頼を提供」。クラウドシステムを使って生産情報を提供するなど、産地と消費者・実需者を直結する。

レタスを栽培する会津若松Akisaiやさい工場(富士通公式サイトより)
レタスを栽培する会津若松Akisaiやさい工場(富士通公式サイトより)

 民間からもスマート農業に取り組む動きがあり、2つ目の「作物の能力を最大限に発揮」と4つ目の「誰もが取り組みやすい農業を実現」に関連したものとして、富士通は「食・農クラウド Akisai(秋彩)」を事業展開。生産現場でのICT活用を起点とし、流通・地域・消費者をバリューチェーンで結ぶ。

農作業の身体的負荷を軽減するクボタのアシストスーツ「ラクベスト」(クボタ公式サイトより)
農作業の身体的負荷を軽減するクボタのアシストスーツ「ラクベスト」(クボタ公式サイトより)

 3つ目の「きつい作業、危険な作業から解放」については、クボタが昨秋、アシストスーツ「ラクベスト」を発売している。これは、上半身に取り付け、ブドウの収穫といった手・腕の上げ下げなどを補助し、身体への負担を軽くするものだ。

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