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「iOS 8」で広がる世界—WWDC 2014をダイジェストで振り返る

2014年06月04日 23時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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噂の新機能が「iOS 8」に登場
医療機関との連携も可能になる「HealthKit」

 そして、今回目玉機能のひとつとなるのが「Health」関連の機能強化だ。現在では「フィットネス」関連中心のHealthだが、iOSでは「医療機関との連携による健康管理」にも着目しており、心拍数や血圧など関連データを集計して医療機関での遠隔診断といった仕組みの構築も視野に入れているようだ。そのための仕組みが「HealthKit」として提供され、ユーザーはサードパーティ製ハードウェアや関連医療機関から提供されるデータをHealthアプリを通じて一括管理できるようになる。

事前情報でiOS 8最大の目玉といわれていた「Health」機能を紹介。現在はフィットネスバンドなどとの連携がメイン

「HealthKit」の提供により、サードパーティ製品やサービスがiOSを経由して情報取得が可能になるほか、ユーザーが自身で複数の健康情報を一覧することもできる

フィットネス関連だけでなく、複数の医療機関との提携も発表されており、iOS 8のHealth機能を通じてこれら医療機関と密に遠隔診断が可能になるかもしれない

家族間で手軽に情報共有できる「Family Sharing」

 家族間で連絡先やカレンダー、写真アルバムなどを共有する「Family Sharing」機能の提供も発表されている。従来は「ペアレンタルコントロール」の形で親が子供の持つデバイスを管理することが中心だったが、こうした仕掛けはそのままに、家族間での情報共有が中心となって機能強化が図られている。

「Family Sharing」は、家族間を対象にした情報共有機能。Federighi氏は「冷蔵庫などを使う家族間でのメッセージボードのようなもの」と機能を表現しており、最大6人までのメンバーが参加できる

Family Sharingのセットアップが完了すると、写真アルバムや共有カレンダーなどの利用が可能になる

クレジットカード情報も共有されることになり、もし子供がiOSデバイスからオンライン購入を行なおうとすると、その旨の了承を求めるメッセージが親のiOSデバイスに出現したりする

iPhotoもパワーアップ、iCloudの有料プランが最大1TBに

 iPhotoの機能が強化されており、iOSデバイス単体でさらに高度な写真加工が可能になっている。撮影または加工した写真はiCloudを介して複数デバイス間で共有が可能で、その容量も無料の5GBから、有料プランの最大1TBまで対応している。

新しいiPhotoでは撮影写真のiOSデバイス上でのさらに高度な加工処理が可能に。これら写真はiCloud上で共有され、他のデバイスからも容易に参照できる。

iCloudの領域は5GBまで無料で、以後は最大1TBまで有料契約プランが用意される

Shazamと提携、楽曲認識機能がSiriに追加

 iOS 8のさらなる追加機能として、Siriと中国市場向けの機能強化も発表されている。特に、Siriに新たに追加された楽曲認識機能は興味深い。Shazamとの提携で実現したもので、「曲はわかるけどその曲名やアーティストはわからない」といった状況で曲を調べるのに有効だ。

iOS 8のさらなる追加機能として紹介されたのがSiriの機能強化。Shazamとの提携で楽曲認識機能がSiriに追加され、これを通じて「曲はわかるけどその曲名やアーティストが思い出せない」といった状況での検索が可能に

中国市場向けの機能強化。米国を中心に提供されている機能をローカライズしたものに


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