弥生が2月4に発表した「個人事業者の確定申告に関する調査」と、続く3月7日に発表した「個人事業者の確定申告に関する調査 第2弾」から見る青色申告者と白色申告者のイメージと実際のギャップ。第1回の「税務調査と記帳の実態」に続き、第2回は「白色申告者が青色申告にしない理由」だ。
白色申告者が青色申告にしない一番の理由は、「売上が多くないから」
記帳義務化をきっかけに、「白色申告から青色申告に変更する人も増えるのではないか」と言われているが、「記帳」は白色申告者にとってそれほどハードルの高いものなのか。そこで、白色申告者が青色申告にしない理由について調査すると、「売上が多くないから」(63%)が6割以上を占めた。多くの白色申告者にとって、青色申告は売り上げ規模の大きな事業者がするものと考えているようだという。
白色申告者の半数は、「青色申告をする事業者の売上は500万円以上」というイメージを持っている
では、白色申告者は、青色申告者の売上がどのくらいだとイメージしているのか。弥生の調べによると、「1,000万円以上」(35%)が3割強ともっとも多く、続く「500万円以上」(18%)と合わせると、白色申告者全体の約半数は「青色申告者は売上が500万円以上ある」と、やや敷居の高いイメージを持っていることがわかったという。
実際は青色申告者と白色申告者の個人年収に大きな差は見られない
上記の通り、多くの白色申告者は「500万円以上の売り上げに達していないので、青色申告にする必要はないのではないか」というイメージを持っている。では、実際に青色申告者と白色申告者の年収に大きな違いはあるか。
実は、個人年収の比較データでは、「200~400万未満」が青色申告/白色申告ともに33%を占める最多数に。また年収ごとの分布も、それぞれほぼ同レベルとなった。こうしたことから、白色申告者のもつイメージとは異なり、双方の個人年収に大きな差がないのだという。
調査概要
調査機関:株式会社マクロミル
回答者:確定申告実施者(青色、白色)
有効回答数:412サンプル(青色申告/白色申告各206サンプル)
調査期間:2013年12月16-17日
調査手法:インターネット調査
調査内容:税務調査経験、記帳方法、税務申告方法、売上、事業年数、収入 など
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