0歳児の24%、1歳児の74%、2歳児の85%がスマホを使用している——。平均4歳の子供を持つ母親を対象にした2014年のインタースペースの調査から、衝撃的な事実が浮かび上がってきた。子供にスマホを「使わせてはいけない」と答えた母親は、わずか8%に過ぎなかった。
いまやスマホは子供にとってありふれたオモチャになった。2014年に内閣府が発表した青少年(10歳~17歳)が対象の調査によると、すでに中学生の約47%、高校生の約83%がスマホを所有している。
主な利用目的はネットだ。スマホからの平均ネット閲覧時間は約1時間47分で、青少年の4割が1日2時間以上ネットしていた。
ネットのやり過ぎと学力の低下の関係性を指摘する声もある。文部科学省は昨年12月の小中学生を対象にした全国学力試験の結果において、1日4時間以上ネットをする子供の成績が最も低かったと発表している。
さらに、子供のネットへの依存も懸念材料だ。総務省の2014年の調査では、ネット依存傾向が「高い」とされた高校生の割合は4.6%だった。彼らの1日のネット時間は約4時間20分で、「ソーシャルメディア(SNS)上だけの友だち」が約93人もいた。
子供がSNSから犯罪に巻き込まれるケースも増えている。例えば昨年の神奈川県では、SNSや出会い系サイトを通じて事件に巻き込まれた児童が、検挙したケースだけで188人を数えた。
学力低下、ネット依存、そして犯罪。子供とスマホとの関係に、大人たちは苦慮している。
愛知県刈谷市では、4月から小中学生を対象に、午後9時以降のスマホの利用を禁止した。スマホの学校への持ち込みを禁止している学校も多いが、「みんなこっそり持ってきている」(教育関係者)のが実情だ。
しかし、そもそもの問題は親のITリテラシーの低さ。2014年のデジタルアーツの調査では、小中校生を対象にしたフィルタリングの使用率は約31%に過ぎなかった。「フィルタリングがあることを知らない」「使っているかわからない」と答えた親を合わせると、約23%もいた。
0歳から子供にスマホを与えておきながら、フィルタリングにすら無知な親。彼らが中高生になったとき、深刻なしっぺ返しが待ち受けているかも知れない。