iPhoneやポータブルアンプを高音質化する。
ヘッドフォンの能力を最大限に引き出すためには、アンプの変更が決め手。
マニアックに攻めるなら、
バランス駆動対応モデルをセレクトしたい。
高機能で高いけど、モバイルリスニングの究極の選択
ももたん ゴールデンウィークで暇だし、オーディオ関係に投資するかな。でも、プレーヤーもヘッドフォンも買い換えたばかりだし、買うものが思いつかないよ!
ange え! 「使う」より、「買う」ほうが目的になってない!?
ももたん 物欲とはそういうもの!
ange ……正しいガジェットオタクの姿と言えなくもないが。
ももたん いま強いて買うならポタアンだろうか。パソコンとかCDプレーヤーにつないで「机の上を高音質化する」という目的で買ってもいいかなって思っている。ダメなら持ち歩いてiPhoneで聴く。
ange 本末転倒じゃない!?
ももたん 確かに入れると違うんだよね。最近はUSB DAC内蔵でiPhoneやPCとつながる。24bit/192kHzのハイレゾ対応も当たり前。機能的にはもう不満がないって感じ。
ange バランス駆動っていうトレンドもあるんだけどね。
ももたん ……ああ。最近はポータブルでも対応機種が増えたね。Astell & KernのAK240とか、プレーヤーでもバランス出力を付けた機種が出た。AK240はφ2.5㎜の4極ジャックでちょっと特殊だけど。
ange 昔は改造とかケーブル自作とか面倒だった。今はケーブル交換できるヘッドフォンが増えてかなり手軽。コネクターもMMCXとかで共通化が進んでいる。SHUREのような人気メーカーなら、ケーブルを買ってきて交換するだけ。
ももたん まだまだ「趣味の領域」って感じだけど、5万円ぐらいの入門機種も増えてきてるしね。
ange アンプやケーブルが高いのは難点だけど、バランス駆動でも対応アンプとケーブルさえ揃えれば導入は超簡単。聴いたことのない音質で音楽が楽しめるのであれば、サイズは苦にならないよ。
モデル紹介 ~ 魔法のiらんどガールズ
RATOC 「REX-KEB02AK」(実売5万円弱)
バランス駆動に加え、Micro-USBと光/同軸デジタル入力にも対応。特徴はさまざまな機器と接続できる応用範囲の広さ。
ALO 「The Island」(実売4万円台前半)
PCとのUSB 接続に特化。バッテリー非搭載で小型化を実現。約113gと軽く、豊富なカラーバリエーションや回しやすい大型のボリュームを持つ。ハイレゾ音源にも対応。
Astell & Kern 「AK240」(実売28万円前後)
ハイレゾに加え、DSD再生にも対応した超ハイエンドポータブルプレーヤーだが、PC 接続のUSBDACとしても使え、バランス駆動にも対応する。デザイン・クオリティーともド級の仕上がり。
Carot One 「NIK58-TUBE」(実売9万円弱)
イタリアメーカーらしい小柄でかわいらしいデザインが特徴のポタアン。アナログ接続のみの対応でバランス駆動にも対応しないが、Philips製のサブミニチュア管を使用した、真空管アンプならではの瑞々しいサウンドを満喫できる。
バランス駆動とは:
左右のユニットについて1組ずつ、合計4つのアンプを使ってヘッドフォンをドライブし、高音質を目指す方法。通常のステレオヘッドフォンアンプの接続方法は、アンバランス接続と呼ばれ、スピーカーユニット(ドライバー)の片側にアンプ、逆側をGNDに接続。左右のユニットでGNDを共有する。
バランス接続に対応したヘッドフォンアンプの回路は複雑となるが、左右の音がきれいに分離し、音の立ち上がりが早く力強くなるなど音質面での利点が高い。
最初は据え置きの大型機で採用されたが、最近ではポータブルタイプの製品も増えている。アンプ側の出力端子には、4 極の角型プラグやφ2.5㎜のモノラルジャックを対にして使うなどいくつかの種類がある。そのため、ヘッドフォンとの接続には、数千円~1万円程度の専用ケーブルを別途用意する必要がある。
ASCII.JKは電撃ASCIIでも展開!
この記事は2014年4月25日配布開始のフリーペーパー『電撃ASCII 秋葉原限定版 5月号』にも掲載されています。誌面では手軽に始めるハイレゾや今狙い目の電源ユニット紹介など、旬なアキバの話題を紹介!
魔法のiらんどガールズのももたんさん、angeさん、取材にご協力ありがとうございました!
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