モバイル用途なら問題なく使えるマシンパワー
Bay-Trail M搭載2-in-1 Ultrabook「Yoga 2 11」の性能をチェック
2014年05月21日 11時00分更新
ベンチマークのスコアは低めだが体感的な速さは十分
続いて、「Yoga 2 11」のベンチマーク結果について紹介する。Windows評価ツールを利用した結果(Windowsエクスペリエンスインデックス)については以下のとおり。グラフィックス関連のスコアが低いが、これはデスクトップやゲームプレー時の描画性能を表わすスコアなので特に気にする必要はない。
CPUのスコアはそこそこ高いほうだが、メモリーとプライマリハードディスク(ストレージ)は標準的だ。メモリー容量が4GBであることとストレージにハイブリッドHDDを採用していることを考えれば妥当な結果だ。レビューを行なうにあたって実際に「Yoga 2 11」を使ってみたが、処理が遅くてイライラするような場面はなかった。
「Yoga 2 11」のWindowsエクスペリエンスインデックス(Windowsシステム評価ツールの結果) | |
---|---|
プロセッサ | 6.6 |
メモリー | 5.9 |
グラフィックス | 4.6 |
ゲーム用グラフィックス | 4.4 |
プライマリハードディスク | 5.9 |
ストレージのアクセス速度を計測する「CrystalDiskMark」を試してみたところ、標準的な毎分5400回転のHDDよりは高速な結果となった。シーケンシャルな読み込みだけ速度が突出しているが、全体的には標準的なHDDよりもやや高速だといえる。CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH」はスコアが低めだが、パワーを抑えたCPUであることを考えると妥当な結果だ。
マシンの総合的な性能を計測するベンチマークでも、控えめな結果が出ている。最新ベンチの「PCMark 8バージョン2」では、日常的な作業の処理能力を計測する「Home accelerated」で「1460」という結果に。「PCMark 7」では総合スコアが「2063」、「PCMarkVantage」では「3825」という結果だった。体感的にはそれほど遅くは感じないのだが、ストレージ速度の計測や高度な計算処理を含めたテストではどうしても低い結果となってしまうようだ。
3D性能を計測するベンチマークでも低めの結果が出ている。「3DMark」ではDirectX 9相当の性能を計測する「Ice Storm」で「21435」という結果に。軽めの3Dゲームならなんとか遊べそうだが、3Dオンラインゲームなどについては少々厳しいだろう。むしろ3Dゲームのプレーを想定していないGPUでこれだけのスコアが出ているのであれば健闘しているほうだと言ってもいい。DirectX 11相当のテストを行なう「Fire Strike」についても「167」とかなり低いが、ベンチマークを完走した点を評価したい。
3Dゲーム系のベンチマークとして「ドラゴンクエストXベンチマークソフト Ver.1.00」と「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」を試してみたが、どちらも標準設定である1280×720ドットの標準画質でもプレーには厳しい結果が出ている。これ以上解像度や画質を下げるとプレーに支障をきたすこともあるため、3Dゲームのプレーは考えないほうがよさそうだ。
最後にバッテリー駆動時間のテスト結果を紹介しよう。テストにあたってWindows 8.1の電源プランには「省電力」を選び、液晶ディスプレーの明るさを40%に設定。音量は約50%で、無線LANは有効にしている。「BBench」で10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効にした上で満充電の状態からテストを実施したところ、開始から5時間51分でバッテリー残量が残り5%となり休止状態へ移行した。カタログ上では約8時間の駆動が可能とされているが、無線LAN経由でネットにアクセスし続けた現実的な計測法でこれだけもてば十分と言える。
モバイル用途なら問題なく使えるマシンパワー
ベンチマークでは低めの結果が出ているが、前述のようにネットや資料を確認する程度なら十分快適に使うことができた。写真の加工や動画編集などデスクでじっくり行なう作業にはパワー不足ではあるが、文書の作成や閲覧、外出先でのメール確認といった作業ならまったく問題ない。ネット閲覧が中心の初心者ならメインマシンとしても向いているだろう。仕事用に検討しているなら、機動性の高いサブマシンとして活用したい。
![](/img/blank.gif)