四捨五入はROUND関数に任せる
消費税の計算は、0.08と乗算する数字に小数点が含まれるので、1円未満の端数が生じる場合がある。そんなときはどうするのだろうか。法律上は、小数点以下を四捨五入でも切り上げでも、切り下げでもいずれであってもよいことになっている。事業者の判断に任されているのだ。そこで、ここでは四捨五入で端数処理をしたい。
四捨五入は、四則演算では処理ができない。そこには、端数が0.5以上のときは切り上げて、0.5未満の場合は切り下げるという条件判断が必要になるからだ。実は、四捨五入のようなよく使う計算については、関数が用意されている。関数とは、引数と呼ばれる数字のような値を与えると何らかの処理をして値を返してくれるという仕組みだ(引数が不要な場合もある)。
四捨五入を行ってくれる関数は、ROUND関数だ。ROUND関数は2つの引数をもっている。ひとつは計算する値、もう1つはどのケタで丸めるかの指定だ。0を入力すると、小数点以下第1位を四捨五入して小数点以下は表示しない。
ただ、四捨五入した数値を表示させる方法はほかにもある。セルの書式設定で指数を0にすれば、小数点以下を四捨五入した値が表示される。
基本的な知識でも十分可能な、消費税値上げへの対応
消費税には、ほかにも内税にするか外税にするかという問題がある。店舗などで商品を販売する場合はどちらかに統一されると思うが、企業間の取引ではケースバイケースだ。見積書を作るような場合、どのような計算式を書けばよいのだろうか。ここで使われるのは、「IF」という関数だ。英語で「もし~ならば」という意味だが、Excelでも同じように条件判断に使用される。
見積書で、内税を1、外税を2で表すことにすれば、見積額は「=IF(C3=1,B3,B3*1.08)」と計算されることになる。これは、内税の場合は、見積額そのまま、内税でなければ、つまり外税ならばB3(見積額)×1.08の計算結果を表示するという意味だ。このIF関数はよく使われるので、使い方を覚えておいたほうがいいだろう。
消費税にはほかにも様々な問題が存在する。例えば、消費税が上がる前と上がった後の違いをどう処理するのか、商品を販売する企業ならば、消費税が上がる前に仕入れて、上がった後に販売することもあるだろう。そんな場合、紹介した条件判断の関数を知っていれば対応が可能だ。また、将来は商品によって軽減税率が採用されるとも言われている。商品アイテムごとの細かな管理は、関数を使って自動処理するしかない。
関数は苦手という人もいるかもしれないが、基本的な知識だけでも、かなりのことができるのも事実だ。必要となる関数もそれほど多くない。ぜひ、Excelを日々の業務の効率化に役立ててほしい。
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